出版社内容情報
田中 英道[タナカ ヒデミチ]
著・文・その他
内容説明
将軍万福、国中連公麻呂、定朝、運慶、湛慶、雪舟、尾形光琳、池大雅、北斎、広重、富岡鉄斎、藤田嗣治、多数の逸名作家…。世界美術史の中でも最高水準にある作家たちは、「民族的・宗教的価値」を超える普遍性=「人間性」の表現を実現した。「時代様式」による記述で、縄文から現代にいたる美術作品を縦横に論じた、新日本美術史がここにある。
目次
はじめに 世界の中の日本美術
序章 日本美術史における「様式」展開
第1章 土器と銅器の時代
第2章 「アルカイスム」の時代―飛鳥時代の美術
第3章 「クラシシスム」美術―白鳳時代の彫刻・絵画
第4章 「クラシシスム」中期の美術―天平時代の彫刻
第5章 「マニエリスム」美術―平安時代の美術
第6章 「バロック」美術―鎌倉時代の名作群
第7章 「ロマンチシズム」の美術―室町・桃山の美術
第8章 「ジャポニスム」の美術―江戸時代の絵画
第9章 日本近・現代の美術
著者等紹介
田中英道[タナカヒデミチ]
1942年生まれ。東京大学文学部卒業。ストラスブール大学Ph.D.。現在、東北大学名誉教授。ローマ大学、ボローニャ大学客員教授、前国際美術史学会副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
14
1995年初出。序章で歴史背景を。飛鳥時代のアルカイスム。単純、正面、アルカイック・スマイル、生硬さ、触覚値(38頁~)。白黒写真で通訳案内士1次試験日本歴史にも使えそう。白鳳、天平時代のクラシシスム(40頁~)。高貴なる単純と静かなる偉大、という意味があるようだ。貞観、藤原時代のマニエリスム(42頁~)。表現過剰と反自然主義とのこと。平安末~鎌倉のバロック時代(44頁~)。不整形な真珠。写実主義的。法隆寺の仏像で、何かを叫んでいるのはあまり知らなかった(五重塔初層塑像112頁写真)。114頁も叫んでる。2013/07/21
オザマチ
5
今度からは、仏像や浮世絵ももう少しじっくり眺めてみよう。2014/03/19
ぽん教授(非実在系)
4
アルカイスム、クラシシスム、マニエリスム、バロック……と西欧美術史の枠組みを大胆にも代入しており、その年代的変化は西洋より早かったと解釈している。著者の熱い語り口に思わず納得しそうになるが、勿論あくまで歴史全体を概説的に扱う以上は著者の独断と偏見を駆使したまとめ方になっており、大枠で同意できるとしても細かいところでの論点対立がなくなるわけではない。とはいえ、一つの見方を作りきったという意味では、著者に反対する立場の人間にも極めて有益であると思われる。2017/09/28
たま
1
自分はこんな基準ですってのを踏まえた上でのアツい語りでよかった/でもやっぱ美術ってよくわかんないよ〜!個人の好みだけじゃないのか…2020/09/04
やま
1
感性の歴史展開と考えると、美術に限らず、文学や演劇にも応用できそう。古今的なものと新古今的なもの、能と歌舞伎。文化史を大胆に組み替えることができそうだ。2012/05/28