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出版社内容情報
櫻井 武[サクライ タケシ]
著・文・その他
内容説明
自らの行動はすべて理性が決めていると私たちは信じているが、それは錯覚にすぎない。行動は、喜び、怒り、恐怖などの「情動」に、強く支配されているのだ。情動は動物の生存には不可欠だが、人間はさらに、より高次の機能として「こころ」を獲得した。それはどこで生まれ、私たちに何をしているのか?神経科学の第一人者が永遠のテーマを解き明かす!
目次
第1章 脳の情報処理システム
第2章 「こころ」と情動
第3章 情動をあやつり、表現する脳
第4章 情動を見る・測る
第5章 海馬と扁桃体
第6章 おそるべき報酬系
第7章 「こころ」を動かす物質とホルモン
終章 「こころ」とは何か
著者等紹介
櫻井武[サクライタケシ]
1964年東京都生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。医師、医学博士。日本学術振興会特別研究員、筑波大学基礎医学系講師、テキサス大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員、筑波大学大学院准教授、金沢大学医薬保健研究域教授を経て、筑波大学医学医療系および国際統合睡眠医科学研究機構教授。1998年、覚醒を制御する神経ペプチド「オレキシン」を発見。平成12年度つくば奨励賞、第14回安藤百福賞大賞、第65回中日文化賞、平成25年度文部科学大臣表彰科学技術賞、第2回塩野賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
112
自分の行動はどのようなからくりによってきめられているのかというかなり興味を引く題材であったので手に取りましたが、やはりかなり難しいことが書かれています。全体としての方向性はわかるような気がする(?)のですが、かなり細かいことになると私の知識の範囲では追い付かないようです。もう一段優しい本をさがそうと思いました。2024/03/13
樋口佳之
51
副題の方が内容を正しく表現していると読みました。/為政者は何故、オリンピックや一大スポーツイベントにここまで拘るのかがわかる内容だったかも/「感動を届ける」という言葉にどれほど違和感を持っている人でも情動レベルでは届いてしまうというお話。2021/07/19
うえぽん
39
脳科学者による脳など全身の精神機能のメカニズムの解説本。感覚系からの情報が物理的側面と情動的側面とで並列的に処理され、後者は自律神経や内分泌を通じて全身の状態に影響を及ぼし、さらに前頭前野が認知することで「こころ」を形成するという。不確実な報酬がドーパミン作動性ニューロンを興奮させ、活動に影響を与えることや、特定の分子の発現パターンの違いで、ネズミが特定の雌との交尾や子の世話を報酬と捉えるなど、こころの作用の原因は性格のみによるのではないことを理解。行動のほとんどは無意識によるものだと気づくことも重要。2024/02/14
禿童子
36
「情動」=「こころ」と定義して、喜怒哀楽を生み出す脳の、特に大脳皮質よりも古い大脳辺縁系にスポットを当てて、詳しく解説している。櫻井さんの既刊『睡眠の科学』よりは読みやすいが、専門用語が頻出するので読む人の負担は軽くない。薬物やギャンブルの依存症に関係する報酬系の話は興味深く読めた。一夫一妻制を司るバソプレッシン、愛情に関わるオキシトシンなど、ご専門の分野の7章「「こころ」を動かす物質とホルモン」が抜群に面白い。脳内化学物質によって動かされる「こころ」とは?人間と動物の垣根が無きに等しい世界に思える。2019/03/08
りょうみや
33
最新脳科学を情動と進化をベースにして一通りポイントを抑えて概覧している。専門用語を多様しているがブルーバックスらしくそれでも分かりやすく解説しているように思える。脳科学の本を読むたびに人を含めた生物は何とも精巧な生化学マシンという思いが強くなる。2022/09/15