出版社内容情報
地球上では多種様々な生物が食い食われ、騙し合い、時に助け合って生きている。複雑な生態系のしくみをエピソード豊富にやさしく解説。
内容説明
ありとあらゆる生物は、食い食われ、だましだまされ、協同し、密接に関わり合いながら生きている。食物連鎖というと直接的な捕食関係だけに目がいきがちだが、実際には、生物は多種との関係の中で生きており、「風が吹けば桶屋が儲かる」ように、一つ変化が起これば、影響は思わぬところに波及する。生きものたちの意外な連鎖や競争・協同の実態を具体的に紹介しながら、ドラマに満ちた生態系のしくみをやさしく解説する。
目次
まえがき 生態系ってなに?
第1章 人の生命を支える生態系
第2章 生態系の物質とエネルギーの動き
第3章 生態系を構成する生物たち
第4章 生物間相互作用
第5章 生態系は共生系
著者等紹介
江崎保男[エザキヤスオ]
1951年大阪府生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。姫路工業大学自然・環境科学研究所教授などを経て、兵庫県立大学自然・環境科学研究所教授、同大学環境人間研究科教授、兵庫県立人と自然の博物館研究部長。専攻は動物生態学、動物社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月讀命
51
地球上には多種多様な生物が棲息している。そして、生きる為には、肉食動物が草食動物を喰い、草食動物が植物を喰う。鳥が昆虫を喰い、微生物に至る迄の食物連鎖が存在し、バランスを維持している。一種の生物が突然絶滅すると捕食関係は崩れ、環境が変わり周りの生物にも影響をあたえ、全体のバランスが崩壊し全滅の危機に瀕す。生態系をジグソーパズルに喩えると、一つのピースが無くなると周りのピースに影響を与え、幾つものピースが無くなるとパズルは存在出来ないのと同様だ。人間は、人類だけの繁栄の為にこの生態系を壊す権利があるのか。2011/02/20
BIDDULPH
6
海外から食物や木材を輸入するということは国内のエネルギーが増え続けることを意味し、富栄養化はとまらなくなる。 生態系の中の一つ一つをジグソーパズルにたとえて説く。一つでも欠けるとそのピースに隣接するピースも影響を受ける。いくつもが欠けると全体が崩壊する。そうなるとすべての生物は滅ぶ。人類は破滅への道を突き進んでいる。 ブラックバスなんかを持ちこんだ奴は死刑にしても飽き足らない。2013/07/23
編集兼発行人
2
生態系に関する基本的な知識についての解説。自然とは物質が循環している場であるという趣旨の定義を付けた上で太陽から有機物までの繋がりを平易に詳述する構え。水田における一次生産力の向上が齎した二次生産力の著しい劣化など身近な具体例を通じて山野河海の相互作用を詳らかに概観。己や近縁者を利する在り方としての生物界とは単純な「弱肉強食」ではなく種毎に異なる「闘争と平和との確率的な均衡」であると合点。新種の出現を伴わず人為による繁栄と絶滅とが超短期的に加速する果てに「分解としての循環が滞り死体の山と化す地球」を結像。2014/04/22
おらひらお
2
2007年初版。文章は平易ですが、内容は充実しています。タイトルをもう一工夫すると中高生にも手にしてもらえそうな気もします。やはり遺伝子が重要なんですね。門外漢でもさらりと読むことができる一冊でした。2013/04/04
ナオ
1
◯2013/07/19