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中公新書
美しい言葉づかい―フランス人の表現の技術

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019578
  • NDC分類 850.2
  • Cコード C1222

出版社内容情報

ランブイエ侯爵夫人のサロンに、言葉に異常な関心を示す若い貴族が現れる。フランス人の言葉への意識を通して、表現の技術を考える

内容説明

「会話の技術」を身につけるには訓練が必要だ。一七世紀前半期のパリに、話す技術を磨くための場所ができた。「サロン」である。言葉に異常な関心を示す若い貴族が、ランブイエ侯爵夫人の有名なサロンに現れる。その名はヴォージュラ。サロンの言葉づかいを克明にメモし、その後のフランス語の洗練に絶大な影響を及ぼす「文法」を著すことになる。フランス人のもつ言語表現への関心を通して、表現の技術を考えてみよう。

目次

第1章 青い部屋―ランブイエ侯爵夫人のサロン(大世紀の幕開け;ランブイエの館;ローマからパリへ;サロンと会話)
第2章 ヴォージュラ登場(ヴォージュラという名前;フランソワ・ド・サル;サヴォワという国;ヴォージュラと外国語;修業の季節)
第3章 カトリーヌとクロード(「ランブイエの館」とヴォージュラ;王弟ガストン;アカデミー・フランセーズ;貧乏な文法家)
第4章 『フランス語に関する注意書き』(紳士の文法;『注意書き』の特色;『注意書き』以後)
終章 サロン、会話、文法(会話の好きなフランス人;「大作家」の例;明晰な言葉づかい)

著者等紹介

井村順一[イムラジュンイチ]
1933年(昭和8年)、東京に生まれる。1956年、東京大学文学部仏語仏文学科卒業。1962年、東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専攻博士課程満期退学。立教大学、東京大学、獨協大学に勤務。現在、東京大学名誉教授、獨協大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サアベドラ

12
『フランス語に関する注意書き』を著し、後世のフランス語論に多大な影響を与えたことで知られる17世紀の文法家ヴォージュラの来歴と、彼が闊歩した当時のサロン文化を記した本。本書を読んでも、なぜあれほどフランス人が「明晰さ」にこだわりを持ち、例外や慣用表現ばかりのフランス語を「明晰な言語」といって憚らないのかを理解することはできない。当時の貴族社会に興味がある人は楽しめるかもしれないが、そうでないなら馴染みの薄い人名やら地名やらが延々と出てきて退屈なだけである。2013/09/06

nranjen

3
アンシャン・レジームにおいてフランス語における規範がどのようにして作られたかということが当時の状況をふまえ、文法家ヴォージュラを中心に語られている。ヴォージュラが問題としていたことについて具体例がいくつか掲載されていることは興味深い。2019/03/02

挫躯魔

2
思っていた本と違った(。•́ω•̀。)言葉使いや綺麗な言い回しが学べると思ってかりてきたけれど、フランスを学ぶための本だった。2015/01/07

wang

2
17世紀フランスのサロンに集う人たちの会話から生まれたフランス標準語。地方毎の言語がばらばらだった時代にルイ16世の宮廷やその周辺の貴族たちのサロンに全国から貴族文人が集まる。統一した国家として統一した言語の文法や辞書が望まれるようになった。本書はその中で中心的なサロンで美しい言葉遣い、上流の洗練された話し振りをまとめようとしたヴォージュラの活動を軸に描写している。2013/03/14

うろたんし

1
藤原正彦の書物に、「講義はフランス人がうまい。アメリカ人はやや劣る。日本人はそれよりはるかに劣る。」とあり、読みかけのこの本を棚から引き出した。内容は終始、仏王族周辺の歴史や人間関係の著述に頁を割いていて、肝腎の言葉遣いについては得るところ少なし。仏語の美しさを後世に残そうと邁進した人々の歴史という題名の方が合っている。こうした労苦の先に、今がありその遺産を享受していることには意識的でありたい。2014/08/09

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