初等数学論考

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初等数学論考

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  • サイズ A5判/ページ数 480p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784320113343
  • NDC分類 410
  • Cコード C3041

出版社内容情報

「初等」とは何か。
20世紀における数学の爆発的な発展を踏まえた明示的な初等数学論。
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 原書で著者が目指すところは二つあり,「第一の目標は初等的な数学とその財産を鳥瞰すること」,および,「第二の目標は,『初等的(elementary)』ということが何を意味するのかを明らかにしていくこと」です。これらの目標に向かって,著者はまず第1章で「初等的な水準での重要な八つの題目算術,計算,代数,幾何,微積分,組合せ,確率,論理学を例証的な幾つかの実例を用いて簡潔に導入」しています。ここでは,しかし,すでに著者の第二の目標が先取りされています。というのは,著者は「初等数学」についての自身の考え方に基づいて,原著のタイトルの〈Elements of Mathematics〉,すなわち「(21世紀における)数学の基本要素」としてこれら八つの題目を宣明しているからです。このうちの新しいものと目される四つの題目,計算,組合せ,確率,および,論理学は,「初等数学(Elementary Mathematics)」の一般的なイメージにおいては,他の四つの題目,算術,代数,幾何,微積分と同列に組み込まれるものではないように思われます。それでも著者は,以下の八つの章で,(自分でも認めているようにその一部において「高等的な(advanced)」ところにまで踏み出してはいるものの,)基本的には初等的な枠組みの中で巧みにそれぞれの要点と項目相互間の関係を紹介し,展開しています。
 しかし本書において著者が意図するところは,(各章に「歴史的な雑記」と「哲学的な雑記」が付されており,多面的な情報や検討が与えられていますが,)これら八つの題目の概説的な紹介記事を読み物風に展開することではありません。そうではなく,著者が主張したい「初等数学」というべきものの現代的な位置づけを(いわば数学風に)展開することにあります。
(訳者まえがきより)
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なお、細かな特長は以下の通りである。
・初等数学の要素として計算,組合せ,確率,論理学を加えている。
・計算機の表示面を含む高機能化,膨大な普及の現状にあわせて,「計算」,特にテューリング機械の概念を初等的な数学に取り込んでいる。
・体(と環)を初等的数学に取り込み,非可換群を高等的数学に入れ,後者を「語の問題」とも関連付けている。
・ユークリッド幾何学を(内積付きの)線型空間によって基礎づける。
・「組合せ」を分離・独立させ,「二項係数」を中心的な話題とし,微積分と連携させて高等的な正規分布と関連させ,確率論とつなげている。
・また「組合せ」にグラフ理論を組み込み,無限「木」に関する「ケーニヒ無限性補題」を導入して,これを高等的な実数論への入り口の基礎として位置付けている。
・「論理学」で命題論理と述語論理を導入し,ペアノ算術,実数論等の高等的数学への展開への道筋をつけている。

第1章 初等的数学の諸項目
1.1 算術
1.2 計算
1.3 代数
1.4 幾何
1.5 微積分
1.6 組合せ
1.7 確率
1.8 論理学
1.9 歴史的な雑記
1.10 哲学的な雑記

第2章 算術
2.1 エウクレイデスの互除法
2.2 連分数
2.3 素数
2.4 有限算術
2.5 2次整数
2.6 ガウスの整数
2.7 オイラーの証明を再訪する
2.8 √2とペル方程式
2.9 歴史的な雑記
2.10 哲学的な雑記

第3章 計算
3.1 数字
3.2 加法
3.3 乗法
3.4 除法
3.5 累乗
3.6 P対NP問題
3.7 テューリング機械
3.8 *解答不能問題
3.9 *普遍機械
3.10 歴史的な雑記
3.11 哲学的な雑記

第4章 代数
4.1 古典的代数
4.2 環
4.3 体
4.4 逆元に関わる二つの定理
4.5 線型空間
4.6 線型従属,基底,次元
4.7 多項式の環
4.8 代数的数体
4.9 線型空間としての数体
4.10 歴史的な雑記
4.11 哲学的な雑記

第5章 幾何
5.1 数と幾何
5.2 エウクレイデスの角の理論
5.3 面積についてのエウクレイデスの理論
5.4 直定規とコンパスによる作図
5.5 代数的な演算の幾何学的な実現
5.6 幾何学的な作図の代数的な表現
5.7 線型空間幾何学
5.8 内積による長さの導入
5.9 作図可能な数体
5.10 歴史的な雑記
5.11 哲学的な雑記

第6章 微積分
6.1 幾何級数
6.2 接線と微分法
6.3 導関数を計算する
6.4 曲線で囲われた面積
6.5 曲線 y = xn の下の面積
6.6 *微積分の基本定理
6.7 対数関数のベキ級数表示
6.8 *関数 arctan と円周率π
6.9 初等関数
6.10 歴史的な雑記
6.11 哲学的な雑記

第7章 組合せ
7.1 素数の無限性
7.2 二項係数とフェルマの小定理
7.3 生成関数
7.4 グラフ理論
7.5 木(tree)
7.6 平面的グラフ
7.7 オイラーの多面体公式
7.8 非平面的グラフ
7.9 *ケーニヒの無限性補題
7.10 シュペルナーの補題
7.11 歴史的な雑記
7.12 哲学的な雑記

第8章 確率
8.1 確率と組合せ
8.2 賭博師の破産
8.3 ランダムウォーク
8.4 平均値,分散,標準偏差
8.5 *ベル(鐘形)曲線
8.6 歴史的な雑記
8.7 哲学的な雑記

第9章 論理学
9.1 命題論理
9.2 トートロジー,恒等式,充足可能性
9.3 特性,関係,量化子
9.4 数学的帰納法
9.5 *ペアノ算術
9.6 *実数
9.7 *無限
9.8 *集合論
9.9 *逆数学
9.10 歴史的な雑記
9.11 哲学的な雑記

第10章 幾つかの高等的数学
10.1 算術:ペル方程式
10.2 計算:語の問題
10.3 代数:基本定理
10.4 幾何:射影直線
10.5 微積分学:円周率πのためのウォリスの積
10.6 組合せ論:ラムジーの定理
10.7 確率論:ド・モルガン分布
10.8 論理学:完全性定理
10.9 歴史的および哲学的な雑記

参考文献

索引

(なお,高等的な概念に触れる節には*印を付している.)

John Stillwell[ジョン スティルウェル]
著・文・その他

三宅 克哉[ミヤケ カツヤ]
翻訳

内容説明

20世紀における数学の爆発的な発展を踏まえた初等数学論。

目次

第1章 初等的数学の諸項目
第2章 算術
第3章 計算
第4章 代数
第5章 幾何
第6章 微積分
第7章 組合せ
第8章 確率
第9章 論理学
第10章 幾つかの高等的数学

著者等紹介

三宅克哉[ミヤケカツヤ]
1964年東京大学理学部数学科卒業。1969年Princeton大学大学院修了、Ph.D.。東京都立大学名誉教授、津田塾大学客員教授。専攻:数学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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MrO

1
ここで言う初等数学とは、高校までの数学のこと。そこまでの数学を、ちょっと高い立場から総括しようという試み。不幸なことに、高校数学と大学での抽象数学をつなぐ糸がない日本において、とても貴重な試みかと思う。最後の章の高等数学への橋渡しは面白かった。2018/07/28

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