出版社内容情報
学際的な視点と豊富な事例をとおして、言論の自由・プライバシー・尊厳の問題を提起する「忘れられる権利」を詳細に論ずる学術書。
新たな基本的人権としての地位を固めつつある一方で、表現の自由等の重要な権利と衝突することから、論争を呼んでいる「忘れられる権利」。本書は、各国の法律、文化、技術等複数の視点から、既存の議論がこの権利を受け入れるか否か両極端にふれていることを批判し、大げさな表現を避けて「神話」を払拭、ありうる選択肢を提供する。
内容説明
各国の法律、文化、技術等複数の視点・豊富な事例をとおして、この新たな人権を詳細に論ずる、待望の学術書。既存の議論がこの権利を受け入れるか否か両極端にふれていることを批判し、大げさな表現を避けて「神話」を払拭、ありうる選択肢を提供する。
目次
第1章 忘れることが容易になったEU
第2章 忘れることが不可能になったアメリカ
第3章 プライバシーの革新
第4章 デジタル情報スチュワードシップ
第5章 法文化におけるCtrl+Z
第6章 国際コミュニティにおけるCtrl+Z
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
9
忘れられる権利よりも忘れさせる権利と仕組みが必要。2022/04/30
sk
5
緻密に展開される議論がとても勉強になる。2023/11/12
ポルターガイスト
3
内容的には充実していた。忘れられる権利について二者択一的な視野狭窄に陥らず広い視野から捉えようとしている。いま生まれつつある「新しい権利」をめぐる攻防を,米国とEUの対立を軸にスリリングに眺めることができる。ただ翻訳がとにかくひどい。DeepLに突っ込んだやつそのまま載せてるのかと思うほどに文意不明瞭なところが多くうんざりしてしまう。2022/06/20
Mareep
2
・忘れることが容易になったEU。Google vs. AEPD(コステハ判決) 2014 ・忘れることが不可能になったアメリカ。米国の法的な赦しの前提条件①「許される」悪意、②具体的損害、③社会的利益→安易に提供されない。→時間、監督、説明責任からの救済 2021/09/11
Go Extreme
2
忘れられる権利 デジタル贖罪 文化的特異 理論的→技術的→社会的→国際的 デジタル永続性 過去の記録と共に生きる 忘れることが容易になったEU 忘れることが不可能になったアメリカ プライバシーの革新:忘れられる権利の適用可能性の構造 デジタル情報スチュワードシップ 法文化におけるCtrl+Z 国際コミュニティにおけるCtrl+Z 忘れられる権利に関するCJEU先決判決:コステハ判決・2014年 地理的範囲に関する判決・2019年 Google2判決・2019年 GDPRの忘れられる権利とその解釈 2021/03/01