プリズム

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  • サイズ B6判/ページ数 343p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344020641
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「僕は、実際には存在しない男なんです」世田谷に古い洋館を構えるある家に、家庭教師として通うことになった聡子。ある日、聡子の前に、屋敷の離れに住む謎の青年が現れる。青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、ときに女たらしのように馴れ馴れしくキスを迫り、ときに男らしく紳士的に振る舞った。激しく変化する青年の態度に困惑しながらも、聡子はいつして彼に惹かれていく。しかし彼の哀しい秘密を知った聡子は、結ばれざる運命に翻弄され―。

著者等紹介

百田尚樹[ヒャクタナオキ]
1956年、大阪生まれ。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」などの番組で活躍後、2006年に『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。同書は2009年に文庫化され、大ベストセラーとなる。高校ボクシングをテーマにした青春小説『ボックス!』は2010年に映画化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

624
百田尚樹が描く多重人格者の 物語。アメリカほど、日本では なじみのない多重人格という テーマを、物語の軸に据えて 読者に読みやすく展開させる 筆力は、見事に百田尚樹らしい。 なんでもない光がプリズムを 通すと、屈折率の違いにより、 様々な光に変わっていく… その複数人と聡子のやりとりは 混乱しがちだが、卓也への想いが 一途で終盤に向かう。 難しいテーマを、読みやすく 書きほどいている、そんな本だった。2014/07/21

修一朗

389
学べたのは多重人格という精神のプリズムについてでした。ためになったし楽しかった。…この感想「風の中のマリア」と同じだな。わかりやすいタイトルだし。百田さんの本は、自分が取材したテーマ〜今回は解離性同一性障害〜について、作家の想像力で創作した物語で、しかも理解しやすく説明してくれる。読者に対してすごく気配りして書いてくれているんだと思う。巻末に挙げられていた本も面白そうなので読んで見よう。百田さん初の恋愛小説という触れ込みだが,こっち方面は深みなし、粗っぽいストーリー、一つのテーマで一杯一杯という感じ。2014/07/24

そのぼん

267
難しいお話でした。家庭教師として働く先で掴みどころのない男性と主人公が出会ったところからストーリーが展開していきました。主人公はやがて男性が重大な病を抱えていたことを知り、彼と深く関わっていくことになります。人の人格とは、心とは何かを考えさせられる作品でした。2012/10/14

美紀ちゃん

248
結ばれない恋は、燃えるんだよね。。人には色々な面がある。自分にもそれを感じる。多重人格というほどではないけど。誰にでも、いつもの日常以外に、甘えたい部分や、厳しく自分を奮い起たせなければならない場面や、普段と違う顔をしなければならない時はあるような。そういうのをひとまとめにして人格なのではないかな。2012/11/03

hiro

241
解離性同一性障害(多重人格)の男性と家庭教師の既婚女性との恋愛を描いた小説。『24人のビリー・ミリガン』を一度読んでみたいと思っていたので、解離性同一性障害については、興味深く読むことはできた。解離を生む原因の児童虐待の部分では吐き気がした。聡子と‘卓也’の恋愛をきっかけに、最大12人いた人格が統合され、広志が回復する予定調和ストーリーはよしとしても、女性主人公の聡子には小説の主人公としての魅力を感じなかった。広志、卓也、純也が同時に恋する女性として、聡子をもっと魅力的な女性として描いてほしかった。2012/08/03

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