出版社内容情報
◇ 解 説 ◇
焦点の定まった集まりという概念の導入により対面的相互行為を詳細に分析した「ゲームの面白さ」と,伝統的な役割理論をこえて独自の研究局面を切り拓いた「役割距離」の二論文よりなる,初期ゴッフマンの代表作。
◇ 目 次 ◇
ゲームの面白さ
序章
形成化
出会いのダイナミクス
面白さの基盤
結論
役割距離
役割概念
役割枠組みの限界
状況にかかわりのある活動システム
表現の問題
役割距離
役割距離と真面目な活動
活動システムとしての外科手術
外科手術と役割距離の機能
自己の同時的な多元性
結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
3
緊張感を強いられる内容でした。日常生活がかくも複雑で高度な関係の塊なのかを認識し、自身もこのような振る舞いをしながら生きていることに思い至りながら読み進めると、もうすべてのことが等閑ではいられなくなってしまう息苦しさを感じます。気にしないけれども影響を受けている、空気とでも言ってもいい決まりごとを丹念に書き起こした著者の慧眼には脱帽ですが、記述された部分は全体を見通すにはあまりにも少なく、この世界は整序され体系だてられるのは豊かすぎるのを痛感し、手の届く範囲すら満足に把握できない事実にクラっとしました。2014/01/07
ゆうき
1
人と人の出会いは偶然とい出会いではなく相互行為によって生まれるそれはゲームやダンスや社交界といった集団行為の中で行われる相互行為によって他者との相互行為によって出会うことで出会うのだ。また役割距離と他者を目の前にして自分がどのような役割(roll)を演じることによって相互行為に役割という補助線を入れて自分が他者に対してどのように演じることによって他者に対する自分の役割を決定させる。2013/09/29
samurai
0
役割距離に注目したのは面白い2022/06/24
まあい
0
「ゲームの面白さ」と「役割距離」という2本の論文が収録されている。「ゲームの面白さ」では、対面的相互行為において状況の定義が維持される仕方や、相互行為が快いものとなるための条件などが整理されている。「役割距離」では、メリーゴーランドや外科医などの事例をもとに、社会学における「役割」概念が再検討される。人と人のやり取りが成立する状況について、根源まで執拗に掘り下げる分析がなされており、広範な領域に応用できる知見が含まれている。2020/08/16