内容説明
勝小吉と勝海舟は、ともに閉塞した幕末江戸の下級旗本の世界に生まれた。小吉は脱出できなかったが、その代わり自叙伝のなかでその生活ぶりを描写してくれた。海舟は、黒船来航を機に、みずから閉塞社会に風穴を開けて飛びだすことに成功し、幕末の陸軍総裁、明治国家の伯爵にまでのぼりつめた。一八〇二年に生まれた親の小吉と、一八九九年に没した子の海舟が、二人して明治維新をはさむ十九世紀をフルに生きたストーリーである。
目次
1 小吉の生涯―『夢酔独言』の世界(父子鷹;養家と生家 ほか)
2 麟太郎の小普請組脱出―咸臨丸で太平洋を渡る(16歳で家を継ぐ;オランダ語を学ぶ ほか)
3 神戸海軍操練所の時代―夢の実現に向けて(幕府海軍の創建;家茂の英断―操練所開設 ほか)
4 敗戦処理の海舟―幕府の最期を看取る(しばしの閑居;長州戦争の後始末 ほか)
5 明治の海舟―「行蔵は我にあり」(明治政府の役職に就く;伯爵に叙せられて ほか)
著者等紹介
大口勇次郎[オオグチユウジロウ]
1935年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専攻、日本近世史。現在、お茶の水女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件