• ポイントキャンペーン

歴史文化ライブラリー
次男坊たちの江戸時代―公家社会の“厄介者”

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642056465
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0320

内容説明

跡継ぎが優遇された江戸時代。親や兄に扶養される「厄介」だった次男、三男たちは不遇だったのか。幸運にも養子先のあった者、養子先を廃嫡された者、ご落胤や女性の厄介の人生から、公家社会の家の継承問題に迫る。

目次

厄介といわれた次男・三男坊―プロローグ
徳川の世の公家たち
厄介に身を落とした嫡男たち―廃嫡の末路
実家・養家にうとまれた「厄介者」―公家社会の扶養と虐待
格下の家へ養子にいく―恵まれた養子たち
さまざまな子ども―隠し子と仮の子
女性の厄介たち
還俗する子弟たち
公家から華族へ―エピローグ

著者等紹介

松田敬之[マツダタカユキ]
1972年、京都府に生まれる。1995年、市立北九州大学(現・北九州市立大学)法学部政治学科卒業。京都産業大学日本文化研究所客員研究員などを経て、現在、花園大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

30
私も次男坊で厄介でっせ(笑)。厄介者が次男。今も変わらないと思う。羽目を外すので。男子は密子(みっし)。女子は176頁~。一条家としても、公家の出で、学才に秀でた薫子を娘の家庭教師に、と目をつけた(198頁)。江戸時代までは次男爵制度があった。嫡男以外の次三男の厄介・部屋住にも恩典を与えられた(238頁)。同じような家(家格・石高)に同じ年齢で生まれながらも、片方は笑い、片方は泣いた例もあろうと推察される。同じような家庭環境に育ったからといって、同じ人生は歩まない(252頁)。 2016/02/08

印度 洋一郎

1
武士、庶民に比べると余り知られていない公家社会の、跡継ぎになれなかった人々の人生を探る。書名にある「厄介者」とは、トラブルメイカーでは無く、“被扶養者”という意味。武家以上に公家は家格と血縁が重要な社会で、その維持や発展のために様々な悲喜劇が生まれた。養子を取ったのに、実子が生まれると追い出してしまったり、素行不良で廃嫡される後継ぎもいた。中には、自分の娘を虐待した父親が、朝廷からの追求からまんまと逃げおおせ、コネを頼って悠々自適に暮らすなど、理不尽なこともある。全然優雅ではない公家の実態が興味深い。2011/05/25

wang

0
武家の部屋住み・厄介と呼ばれる跡継ぎ以外については色々話を聞くが、じゃあ公家はどうだったんだという話。色々なつてをたどり他家へ養子に行ったり、武士になったり、実際に多いのはやはり僧侶になる経路だったよう。個々の例を挙げて今から見れば数奇な人生を歩んでいるのは興味深い。ただ、日記資料に頼るしかなく実態が見えにくく他家に出るなど歴史に名を残した者以外の部屋住みで終わった者の人生が見えないのは残念。儀礼などのノウハウを残す目的しか日記になかったので、何もすることがない厄介が日記を残さなかったのが残念。2015/08/13

カステイラ

0
初めのほうで近世公家社会の「子」について解説しているけど、ここを理解しないと後の話がややこしくなってしまう。タイトルに江戸時代とつけているけど、厄介たちが本当に苦労するのは維新以降。2015/02/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/269293
  • ご注意事項