内容説明
花鳥風月や文化・芸術を取り入れ、あらたな料理をつくりあげた「吉兆」の創業者、湯木貞一。文化人との交流や、茶の場や美術品への造詣、美術館開設などから、ひたすらに料理に打ち込んだ生き方と人となりに迫る。
目次
日本料理と湯木貞一―プロローグ
生い立ちと「吉兆」
大きな飛躍
茶の湯と湯木貞一
日本料理の完成へ
九十五歳の青年
著者等紹介
末廣幸代[スエヒロサチヨ]
1947年、大阪府に生まれる。1969年、同志社大学文学部文化史学科卒業。大阪府下市史編纂室、思文閣美術館を経て、1987年、湯木美術館設立準備室に就職。2008年、湯木美術館主任学芸員を退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R
21
吉兆の湯木貞一氏について綴った伝記的な読み物でした。生い立ちと、その生き様についていくつかの挿話とともに語られているという内容で、若い頃から日本一の料理人を目指していくあたりの志の高さが痛快。大変真面目に料理と向き合い、吉兆の前後で日本料理が変わるほどの衝撃を与えたという、その裏打ちされた技術と、たゆまぬ努力の数々が感動的でした。茶の湯に引かれて、茶道具を集めるくだりも、奥さんの内助もさることながら、いかにも骨董逸話という話がいくつもあって、大変楽しく読めました。2017/07/10
アメヲトコ
5
不昧公の著書に影響され、茶懐石の要素を取り込んで日本料理に革新をもたらした、兆の創始者湯木貞一の評伝。著者は湯木美術館の元学芸員ということもあり、基本的に褒めて描いている感じですが、アイデアマンとしての湯木のさまざまな試みは面白いです。2010年刊というところ、数年前の騒動の只中に執筆していたかと思うとどうにも心中察せられるものもあります。2017/05/18
Riko
1
図書館で借りた2011/10/25