内容説明
古代人はなぜ全長二〇〇メートルを超える巨大な墳墓を構築したのか。その構造や葬送儀礼から古墳をつくった集団を探り、在地社会の政治構造を検討。渡来人との関わりや国家形成など、古墳築造の背景を社会的観点から考える。
目次
古墳の存立意義―プロローグ
始祖墓としての古墳(姉祖墓の諸相;畿内の始祖墓;首長墓と群集墳;古墳と葬送儀礼の変遷)
古墳からみる政治構造(古墳と政治構造;畿内主導の実態―畿内の意向と在地の論理;国家形成と王墓;「前方後円墳」をめぐって)
五世紀後半の画期と渡来人(五世紀後半の変革;東国の渡来人;渡来人の地位と末裔)
古墳の終焉(群集墳の盛行;終末期古墳の諸相;古墳の終焉と再利用)
その後の古墳―エピローグ
著者等紹介
土生田純之[ハブタヨシユキ]
1951年、大阪府出身。1974年、天理大学文学部国文学国語学科卒業。1978年、関西大学大学院博士前期課程修了。現在、専修大学文学部教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
12
やっぱ仏教とともに導入された火葬が、古墳造営という伝統にとどめをさしたのだろうか。。その前に大王墓が前方後円墳から八角形になってた理由とか、民衆レベルでの群集墳が大流行した理由とかも、もうすこし突っ込んで勉強せんとよくわからんな。。2019/02/03
pepe
1
地域の権力者の象徴となった古墳について、政治的、社会的な関係や意義を、古墳の開始から終焉までを通して概説する。群集墳、積石塚など多彩なかたちがあり、墓づくりといえども当時の権力や政治的な関係が反映されているようで、奥が深い。2017/08/27
ナオ
1
国家か否かを読者の判断に委ねていいのでしょうか。7世紀後半の根拠が知りたい。2011/05/09
おらひらお
0
2011年初版。タイトルのとおり古墳について述べられています。話が多岐にわたり、ややさっぱり感が残るものの、入門書としては良い本ですね。あと、地方によって古墳に対するさまざまな考え方が存在することをを指摘しています。90年代は少し画一的だったかな。いまでもその名残はありますが・・・。2011/06/09