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歴史文化ライブラリー
荒ぶるスサノヲ、七変化―“中世神話”の世界

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642057462
  • NDC分類 164.1
  • Cコード C0320

内容説明

古代神が仏教と習合し、新しい「神」となる中世神話世界。異国神との合体や閻魔大王への変貌など、パワフルに姿を変え成長するスサノヲの魅力に迫り、近代のイデオロギーとは違う、底深い日本の宗教文化を読み解く。

目次

もうひとりのスサノヲへ―プロローグ
『記』『紀』『風土記』神話のスサノヲ(スサノヲ神話をどう読むか;多彩なスサノヲ神話;『出雲国風土記』のスナオヲ神話)
中世神話が語るもの(中世神話とはなにか;ヲロチ退治譚の変奏;「日本記の家」が語るスサノヲ)
スサノヲは雲陽の大社の神なり(スサノヲ、出雲大社に鎮座す;漂流する山を繋ぎとめた神;鰐淵寺・日御碕と中世スナノヲ神話;冥府としての出雲)
祇園御霊会のスサノヲ(スサノヲ変成の「神話工房」へ;祇園御霊会をめぐって;異国神となるスサノヲ;中世神道の大成者、吉田兼倶)
スサノヲの神話学(「善悪不二」をめぐる神話言説;スサノヲ変貌する)
その後の、スサノヲ―エピローグ

著者等紹介

斎藤英喜[サイトウヒデキ]
1955年、東京に生まれる。1990年、日本大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、佛教大学歴史学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

可兒

5
日本神話の謎でも上位にヒットするだろうスサノヲの多彩な英雄ぶりについての本。あと中世日本紀の理屈のこね方に驚く本2012/06/15

mimm

4
記紀から変容していく「スサノヲ」の姿を中世の神話に重心を置いて見ています。悪神から善神へ、更には出雲大社の祭神という「事実」や祇園牛頭天王との習合、外国から来た神様まで全て「スサノヲ」としてしまおうとする強引なロジック。仏教が絡んできたことにより、日本古来の神は姿を変え、そのすごいものが「スサノヲ」でした。個人的に宗教的・神話的なものは歴史の暗喩として好きなので物足りなくは思ったけれど、純粋に好きな方には濃くて満足のいく一冊、と言う気がします。2012/10/27

ryooyr

3
現代でも有名なスサノオは、中世では現代とは全く違う解釈(新たな創造)されていたという内容。出雲大社で僧侶がスサノオのために読経していたというのは驚きだった。読んでいて神話とは古いから正しい、原型を留めてるほうが正確という事ではなく、その時代時代に本物の神話があって、私の知ってるスサノオは古事記が作られた時のスサノオとは別物なのかなとか思った。2012/08/13

KBS

3
有名な書物でもスサノオについて結構とんでもないことが書いてあったりして驚く。同時に、日本の学者や僧職の人々が、この神の性質を当時の宗教や学問に当て嵌めるための理屈をひねり出すのに苦労していたのが窺える。2012/06/12

Juichi Oda

2
中世神話という世界がある。『日本書紀』を神祇官出身の卜部氏や一条家の貴族知識人たちが、解釈・注釈した鎌倉時代以降の行為によるもの。それは新しい神話を創り出すことで、中世の神話学者は「神話作家」だったのだという。さてスサノヲ。彼ほど不思議な神はいない。高天原で大暴れする悪神でありながら、大蛇退治などで英雄視されるという真逆な面を持ち合わせる存在。そんなスサノヲは中世神話作家たちによって、大きく変貌していった。私個人の謎である「スサノヲ=牛頭天王」の図式もこの時代に創られたようで、ダイナミックな世界が広がる!2023/09/14

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