内容説明
一八七九年の琉球国滅亡後、多くの人々がハワイへ移住したことはあまり知られていない。沖縄ハワイ移民一世が語った差別・労働・戦争など、等身大の歴史から、「国」のあり方は「人」の生き方にどう関わるのかを考える。
目次
ハワイ移民という生き方―プロローグ
琉球国の誕生と栄華(滅亡と移民;琉球国の誕生まで;王国の整備と栄華)
琉球国の滅亡への道(薩摩の支配;滅亡寸前の国の政治・経済状態;琉球処分)
沖縄県の誕生と移民(移民政策と当山久三;初期の沖縄ハワイ移民の生きざま)
人生をかえりみて移民はよかったことなのか(個人水準での評価;移民をしてきてよかった―安次嶺太良;平穏を願っても不幸なことはおこるもの―新垣喜男;まっすぐに生きる―島袋長勇;国家・差別、そして沖縄文化の評価へ)
ハワイから「沖縄世」を願って―エピローグ
著者等紹介
鳥越皓之[トリゴエヒロユキ]
1944年、沖縄県生まれ。1975年、東京教育大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。関西学院大学教授、筑波大学教授を経て、早稲田大学人間科学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
3
移民には貧困とコネクションの要因が多いことは知っていたが、国が滅ぶとその民は流浪するという社会的公理までは気付かなかった。マクロ的には移民した人は成功と言えそうなところが救いだ。2018/08/03
yagian
1
沖縄の歴史におけるハワイ移民の位置づけと、ハワイ移民のライフヒストリーの紹介。沖縄出身の筆者がハワイ移民の老女から問いかけられた言葉が印象に残った。「唐の世から、大和の世、大和の世から、アメリカ世、アメリカ世から、また大和の世。…シー?沖縄世(うちなーゆ)にはならんではありませんか。今度は、あなたが沖縄世にすると思うよ、わたし。」2014/02/16