出版社内容情報
アジア太平洋戦争の海外戦没者約二四〇万人のうち、日本に戻った遺骨は約半数に過ぎない。「空(から)の遺骨箱」が届けられ戸惑う遺族に日本政府はいかに向き合い、遺骨収容や現地での追悼行事・無縁戦没者の納骨を行ってきたのか。
内容説明
アジア太平洋戦争の海外戦没者約二四〇万人のうち、日本に戻った遺骨は約半数しかない。「空の遺骨箱」が届き戸惑う遺族に政府はどう向き合い、遺骨収容や現地慰霊を行ってきたのか。「終わらぬ戦後」の原点を見つめ直す。
目次
戦後日本と海外戦没者―プロローグ
大日本帝国の崩壊と海外戦没者
遺骨帰還の実現に向けて
一九五〇年代「遺骨収集団」の派遣
遺骨の帰る場所
「終わらぬ戦後」の象徴として―エピローグ
著者等紹介
浜井和史[ハマイカズフミ]
1975年、北海道に生まれる。2004年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。外務省外交史料館勤務を経て、現在、帝京大学専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Pyonkichi
3
国家は戦没者をどのようにして弔うべきか。この問題は、遺体・遺骨をどのように扱うかという問題と切り離せない。戦前の日本は戦場掃除と遺骨送還のシステムを確立したが、戦死者の増大により破綻し、空の遺骨箱を「英霊」とみなすフィクションを遺族に強いた。敗戦国となった日本は諸外国との関係から、遺骨収集を速やかに行えず、象徴遺骨の帰還と慰霊により解決とみなした。それは経済成長に邁進し戦争を遠ざけた国民心理にも支えられていたが、その欺瞞に遺族が気づいたとき、新たな遺骨収集が行われることになった。戦後は今だ終わっていない。2022/10/04
きりんだよ
3
主に第2次世界大戦の戦没者の遺骨収集に関する詳細な記述。さらに遡って日清戦争のころの戦没者埋葬手続きについても。 第2次世界大戦での戦没者310万人のうち遺骨収集事業による送還数127万柱。うち千鳥ケ淵戦没者墓苑に身元不明などの36万柱が納骨されているとの事。 戦後69年の2014年8月15日、千鳥ケ淵戦没者墓苑にお参りしてみようか。 遺骨収集作業に当たられた方々の想いを思うと、自分の悩みのいかに小さいことかを思い知らされる。2014/08/06
onepei
2
「沖ノ鳥島」で遺骨収容が計画されていたこと、戦時中、玉砕した島から遺骨がわりの「砂」を持って帰ることができたのだろうか、ということが気になった。2014/06/04
takao
1
ふむ2024/02/16