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読みなおす日本史
幕僚たちの真珠湾

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642063944
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C1321

内容説明

誰もが望まなかった対米戦争になぜ踏み切ったのか。日中戦争の収拾が見通せず、米国との対立が深まる中、「国策」決定の中枢を担った陸海軍の幕僚たち。精神論を排したはずの彼らは何ゆえ誤ったのか。開戦の真実に迫る。

目次

序章 陸軍中央幕僚の群像
第1章 国家の曲がり角―一九四〇年
第2章 「南進」と日米交渉
第3章 新国策の決定
第4章 「関特演」と幕僚たち
第5章 全面禁輸への反応
第6章 九月六日の御前会議
第7章 東条内閣と幕僚たち
第8章 最後の決断
終章 その遺産と負債

著者等紹介

波多野澄雄[ハタノスミオ]
1947年岐阜県生まれ。1977年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了、博士(法学)。防衛庁防衛研修所戦史部、筑波大学助教授、教授を経て現在、筑波大学名誉教授、ハーバード大学客員研究員、外務省「日本外交文書」編纂委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

14
陸海軍の幕僚による政策論争、特に各省の課長級が集まる連絡会議での論議を追うことで、開戦までの道を明らかにした一冊。「政策無き政治家は軍人に敵わない」という木戸幸一の言葉ではないが、急速に国策の立案者として浮上したエリート将校の発言力の大きさに驚くとともに、その視野の狭さに暗澹となる。内向きには筋が通っているかもしれないが、外交という相手がいる場では、自らの要求を押し付けるだけでは話が進まない。そもそもエリートとは言え中堅層に過ぎない彼らが、国策を左右している時点で、旧軍のガバナンス具合が知れるというもの。2021/07/08

Meistersinger

7
主に陸軍幕僚たちが、どのように対米戦にいたる途を辿ったかの話。ファシズムが自由主義に勝るはずという「論理的思考」もあり、日本の未来を縛る米国への不信感が強かったことが開戦に至った理由だろう。日中戦争や対米姿勢を国際的な視点から描けなかった事が最大の敗因か。2019/07/13

おい

6
旧日本軍の中核をなした幕僚たちの考え方や行動がよくわかる。無謀な戦争に突き進んだ理由にアメリカの動員国力やドイツの力の読み違いなどがあげられているが、幕僚たちは一人一人は優秀であったのであろうが、リーダーではなく、国の行く末までは考えて行動出来ていない者がほとんどだった点が原因と思う。この点の克服が今も抱える日本の課題である。 ★★★★2018/11/26

てっき

5
友人に勧められて読んだ本。太平洋戦争直前一年ほどの陸軍省軍務局及び陸軍参謀本部作戦課を中心とした開戦に至る過程を追ったもの。こう書くとまるで陸軍の陰謀を暴くような口調だが、実際は世界情勢と上司と関係機関に翻弄され、折衷案的な作文作成に追われた官僚化した参謀たちの記録、と言った方が適切な内容。いつの時代も変わらないコンセンサス重視な日本人の悪いところを煮詰めたような事態推移は、見ていておぞましさと現代でも在りえそうな寒気を覚える。反面教師におススメの一冊である。2020/06/04

ごいんきょ

4
陸軍悪玉論に対する海軍善玉論の批判が一時ありました。確かにそれも在ると思っていたのですが、本書を読んでやっぱり陸軍はという思いが戻ってきました。 戦争をプロジェクトとしてみた場合、日本の軍部は全くと言っていい程プロジェクト管理ができていません。特にステークホルダーマネジメントは最悪です。 決して海軍が善玉だったとは言いませんが、陸軍はあまりにも融通がきかず周りが見えていないと言わざる得ないと感じます。2016/12/28

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