出版社内容情報
日本とアジア大陸との往来には、朝鮮半島の西の海みち、トカラ列島を介した南の海みちの他に、日本海を渡る北の海みちも重要な役割を果した。阿倍比羅夫の遠征、渤海国の使節、交易等から、古代日本の対外関係を考える。
内容説明
日本とアジア大陸との往来には、朝鮮半島の西の海みち、トカラ列島を介した南の海みちの他に、日本海を渡る北の海みちも重要な役割を果した。阿倍比羅夫の遠征、渤海国の使節、交易等から、古代日本の対外関係を考える。
目次
日本列島と北の海みち
日本文化と海みち
伝統の生きる北の海みち
粛慎から靺鞨へ
渤海使と出羽秋田城
続く渤海の出羽来航
厚遇の背景と本態
対新羅関係推移の実態
奥羽の物産と北の海みち
北への指向
北の海みちの伝統と展開
著者等紹介
新野直吉[ニイノナオヨシ]
1925年山形県に生まれる。1950年東北大学文学部国史学科卒業。秋田大学教授・学長、秋田県立博物館長を歴任。現在、秋田大学名誉教授、秋田県立博物館名誉館長。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
3
朝鮮半島経由の「西の海みち」、琉球経由の「南の海みち」に対して、秋田城などを拠点とする「北の海みち」を通しての、大陸と日本との交流を考察する。大陸と日本との交流史でもあり、東北と畿内政権との交流史でもある。筆者の論じ方がやや独断的で、題材の扱いなどややバランスを欠いているかと思わせる部分もあり(東北の名馬についてなど、面白いが論の趣旨としては語りすぎだと思う)、環日本海文化圏を述べるには視点が国内情勢に偏りすぎている面がなくもないが、古代~近世の東北に関心があれば結構興味深い話もあるのではないかと思う。2016/07/06