感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
242
『親子で読んでほしい絵本大賞』大賞受賞作ということで読みました。 迫力のある挿絵、食物連鎖&自然の厳しさを親子でリアルに学べる絵本です。 https://hon-hikidashi.jp/enjoy/125691/ 2021/04/06
馨
120
絵本。2頭のヘラジカの遺された骨から遡る2頭の末路。まさに弱肉強食というか、2頭によって生かされた動物たちの何と多いことか。ヘラジカ側から見たら残酷な話だし、オオカミやヒグマから見たら生きていくために当たり前の行動だし自然界は常に命がけであるのがわかります。ダーウィンがきたで特集になりそうな話でした。2021/05/03
ぶち
118
あの星野道夫さんがアラスカの川で不思議な骨を発見して、写真に収めました。それは、2頭の大きなヘラジカが角を複雑に絡ませて骨となっているのです。何故、こんな骨が出来上がったのか? 著者の鈴木まもるさんが、その答えの一つを、絵本にしてくれました。鈴木さんが描いたヘラジカの絵は、汗の匂いも唸り声も読者に届くような迫力とリアリティに満ちています。ヒグマ、コヨーテ、アカギツネ、ワタリガラスまで登場して、アラスカの自然の営みを伝えてくれます。最後の鳥の巣については鈴木さんらしいエピソードで、温かい気持ちになりました。2020/10/09
aquamarine
80
アラスカのデナリ山のふもとに暮らすヘラジカ。オス同士は出会い闘い、命を落とす…。星野道夫さんの遺した一枚の写真からこの絵本はできた。たった一枚の写真がどれだけのものを語ったか、この絵本は私たちに余すところなく伝えてくれる。自然の中で、ヘラジカの死は終わりではない。知識として知っていても各ページのイラストと文章が語りかけてくるものは大きい。ラストページの微笑ましさと自然の連鎖の見事さに感嘆した後、目に飛び込んでくる裏表紙に息をのむ。とても良かった。/第2回「親子で読んでほしい絵本大賞」大賞受賞作2021/04/29
とよぽん
79
自然界の摂理とは言え、2頭のオスのヘラジカがたどった運命は壮絶で・・・。弱肉強食、漁夫の利、巡り巡って小さな生き物の命を育んでいるヘラジカの骨。アラスカの自然の姿、命を懸けて戦うヘラジカの迫力が鈴木まもるさんの絵から伝わってくる。そして裏表紙の、星野さんが撮った写真が雄弁にそれらを語っている。2020/10/20