内容説明
認知行動療法は、世界的に見るならばメンタルヘルスの領域においてもっとも有効な介入方として広く用いられている。わが国では認知行動療法の導入が遅れていたが、近年に至り関心が寄せられるようになり、幅広く活用していこうとの動きが高まってきている。本書では、まず認知行動療法の理論とその歴史的発展、最近の動向を概観した上で、アセスメント、機能分析、ケースフォーミュレーションの手続きについて詳しく解説する。続いて、長く実績を積み重ねてきた治療者たちによる、強迫症状、パニック障害、うつ病、摂食障害、統合失調症等といった病態別の介入の実際を紹介する。さらに、ストレスマネジメント、ADHDの子を持つ親訓練、EMDRのプログラムなど、日本での臨床実践に基づいて発展してきたプログラムについても詳述している。認知行動療法に必要な理論について深く理解できるだけでなく、第一線の治療者たちによる日本の臨床現場における認知行動療法の実際を知ることができる、理論と実践の橋渡しをする1冊である。
目次
第1部 理論と歴史的発展(今、なぜ認知行動療法か;行動療法、そして認知行動療法 ほか)
第2部 アセスメントとケースフォーミュレーション(アセスメント、機能分析、そしてケースフォーミュレーションへ;アセスメント ほか)
第3部 症状・障害別の介入(強迫症状;パニック障害 ほか)
第4部 プログラム(ストレスマネジメントの実用的プログラム;親訓練のプログラム ほか)
著者等紹介
下山晴彦[シモヤマハルヒコ]
1983年、東京大学大学院教育学研究科博士課程中退。東京大学学生相談所助手、東京工業大学保健管理センター講師、東京大学大学院教育学研究科助教授を経て、東京大学大学院臨床心理学コース教授。博士(教育学)、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。