内容説明
コーヒー豆は、熱帯や亜熱帯で広く栽培されています。そして世界じゅうに輸出され、コーヒーとして飲まれたり、スイーツなどに使われたりしています。だからコーヒー豆のことを調べると、地球上のさまざまな問題が見えてきます。熱帯林に何度も足を運び、森のようすや、そこに生きる人たちの暮らシを研究してきた著者が、調査や研究のようすを紹介しながらわかりやすく話します。
目次
第1章 コーヒーと人間の長い歴史
第2章 コーヒー豆は種なんだ
第3章 コーヒーは世界じゅうで人気者
第4章 コーヒー農園を訪ねる
第5章 熱帯林を守る
第6章 農民たちの生活
第7章 みんながゆたかに暮らすには
第8章 調査地に恩返しを
著者等紹介
原田一宏[ハラダカズヒロ]
1968年京都生まれ。アジアの熱帯の国々において、森林から見た地球環境、森林資源の管理や利用、森林とともに生きる人々の暮らしなどについて研究をしている。東京大学農学部卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻博士課程修了。博士(農学)。インドネシア林業省・自然保護総局(JICAインドネシア生物多様性保全プロジェクト長期派遣専門家)、(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)研究員、マードゥク大学アジア研究センター(オーストラリア)客員研究員、兵庫県立大学環境人間学部准教授を経て、名古屋大学大学院生命農学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
99
児童書。コーヒーの歴史、コーヒー豆からどのようにして コーヒーが出来るか。コーヒー農園の実態や農園化に伴う課題。自然環境などが書かれている。前から気になっていたジャコウネコのフンの中から採ったコーヒーのコピ・ルアクの味は、出がらしのようだったという。希少だから美味いかというとそうでもないらしい。そのようなコーヒーを呑んで悦になっている人も多いのだろう。しかしこればかりは嗜好の問題だが。コーヒーを毎日を飲む一方でジャングルがコーヒー農園になっていることを知り心が痛む。図書館本2022/03/06
makimakimasa
10
ジャカルタの邦人情報誌で知った子供向けの本だが、コーヒー無知の自分には楽しめた。起源はエチオピアとイエメン。主にアラビカ種(シェア6~7割、日本や欧米で主流)とロブスター種(育て易いが香りに劣る、インドネシアやベトナムで主流)。シェードツリーの要る農園、豆の摘み取りや選別の写真が豊富で分かり易い。植えて4年の木1本から年10㎏の実が取れ、果肉を除いた種は2.5㎏、豆を取り出すと1㎏、焙煎して水分を飛ばすと750g=75杯分。農家から仲買人の生豆買取価格はRp.28,000/㎏(2017年@スマトラ島)。2020/06/21
いお
6
コーヒー豆の歴史や種類、飲み方やコーヒー農園の問題から、環境問題や貧困、フェアトレードについて学べる本。日本では一人が一日に一杯のコーヒーを飲んでいるという。一杯500円として、農家に払われる豆の値段は3円ほど。農民たちの取り分が少なすぎるために、豊かではない環境を強いられている農民たち。農民たちに少しでも多くの利益が返ってくる取り組み、フェアトレード。フェアトレードへの参加の仕方とか、農村の課題など、いい取り組みだね…だけでは終わらない、踏み込んだ話が分かる。
訪問者
4
最近よく読んでいるコーヒー関連本の1冊。主に環境問題と絡めてインドネシアのコーヒー栽培のあれこれを紹介している。2022/01/30
綿帽子
4
「SDGs」をよく目にするようになり、そこからチョコレートとコーヒーについて、子供達が学校に行かず働いている問題を知り、どちらも大好きなので気になりこの本を読みました。この本ではシナモンの事にも話が及んでいた。シナモンは樹皮を剥がしたもの。その木は切り倒された後そこらじゅうにごろごろ転がっていた。その森を再生させるためコーヒーの木を植えた。熱帯で農業を行うと森林破壊に繋がるイメージもあるが、コーヒーは、森を再生させる事に役立つのだと知った。コーヒーやチョコを選ぶ時、こだわって選びたいと思った 2021/02/21