内容説明
戦前には「不気味なもの」として警察によって都市から排除される一方で、教育現場に包摂され活用された紙芝居。その歴史をふまえて紙芝居『墓場奇太郎』の怪奇譚としての一面を明らかにして、紙芝居とその時代に映る「不気味なもの」から幻想と異端の実相を逆照射する。
目次
境界と両義性を超えて
第1部 紙芝居はどこからくるのか(紙芝居の時代;紙芝居に介入する社会)
第2部 物語とメディア(醜いヒーローの形態学;絵の「声」を聴く)
第3部 「不気味なもの」たち(怪奇の近代;「不気味なもの」をめぐる問題系)
越境するローカルなもの
著者等紹介
姜竣[カンジュン]
1966年、韓国生まれ。城西国際大学人文学部准教授。専攻は民俗学、文化人類学、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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∃.狂茶党
6
本書は、不気味なものと近代についてのざっとした見通しです。 ちょっと詰め込みすぎ。 枝葉が多くて、本題が見えなくなりがちですが、「紙芝居」について、かなり突っ込んだ話をしてますから、それだけでも読む価値あり。 フロイトの話題に集中するあまり、全く紙芝居の話が出てこない章があるのはどうかと思います。二冊に分けるか二部構成にするか、日本での影響関係に絞った方が良かったのではないのかな。 不気味なものは、科学の発達がオカルティズムに新たな命を吹き込んだように、近代にメディアとの関係を取り結びます。2022/10/15
takao
1
ふむ2022/05/10