出版社内容情報
生まれてから一度も話したことがない、歩いたこともない、自分ひとりでは食べることもできない。ただ、それだけの障がいを持っている女の子、メロディはついに話すことのできる機械、メディ・トーカーを手に入れました。偏見を吹き飛ばす傑作です。
内容説明
言葉が、わたしのまわりに舞い落ちてくる。ひらひらひらひらと、まるで雪のように。どのひとひらもこわれやすく、ちがう形をしていて、手にふれる前に消えてしまいそう。わたしは話すことができない。歩くことができない。自分で食べることができないし、自分でおふろに入ることもできない。それが、すごくいや。
著者等紹介
ドレイパー,シャロン・M.[ドレイパー,シャロンM.] [Draper,Sharon M.]
米国オハイオ州、クリーブランド生まれ。長年教師として勤めるかたわら、執筆活動に入る。アフリカ系アメリカ人作家に贈られるコレッタ・スコット・キング賞を5回受賞し、1997年にはNational Teacher of the Yearに選ばれた
横山和江[ヨコヤマカズエ]
埼玉県生まれ。児童書の翻訳のほかに読み聞かせの活動などを行っている。海外児童書サークル「やまねこ翻訳クラブ」会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
137
メロディーは脳性麻痺のせいで言葉を発することができず手も足も動かせない。でも本当はみんなと同じように感じ、いろんなことを知っている11歳の女の子。 メディ・トーカーという補助機器を手に入れて言葉を発するようになると周りの見る目が変わっていく。 やがてメロディーはクイズの全国大会へと出られるようになるのだけど。。。 偏見に満ちた人たちのせいで多くの困難がメロディーを襲う。メロディーの気持ちを思うと胸が張り裂けそうになりました。2019/12/20
chimako
63
メロディは賢い脳性マヒの女の子。おしゃれだってしたいし好きな音楽もある。そのメロディが素敵なツールを手に入れた。話せるようになった!クイズ番組で大活躍する。彼女の未来は明るいものちなるだろうと誰もが思ったのに“悪意”ともとれる仲間(と思っていたチームメイト)と尊敬していた先生の心無い行為を体験する。自分の無力さにがっかりするメロディ。心無い彼らはきっと私たちの代表。力強く生きるメロディたちと共に生きる幸せを社会を未来を問われている。Melody is so cool!2015/02/19
☆よいこ
60
メロディは11歳の女の子。脳性まひがあり、自分で身体を動かすことはほとんどできないし喋れない。だけど幼い頃から記憶力抜群で、素晴らしい理解力も想像力の持ち主だった。頭と心に言葉が満ちているのにそれを表現できなくて、周りの人に理解してもらえないってどんな地獄だろう。メロディを支えて信じている母はすごい。その母と一緒にメロディを愛してくれる父もすごい。障害者の物語を障害者自身が語る、フィクションだけど考えさせられた。▽鉢から飛び出す金魚[out of my mind]の表紙が素敵。YA、小学高学年から読める。2018/08/12
ころりんぱ
50
体が自由に動かせて、言いたい言葉は全部自分の口で話せる私は、きっとメロディの気持ちの100分の1も分かってあげられないと思う。いくら思いを寄せて、理解しようと頑張っても、たぶん自分の頭の中の「こうだと思う」に縛られて、メロディの本当の気持ちに添う事ができないんだろう。この本を読んで、理想と現実ってものの、現実を思っています。私は、モリーやクレアではないけれど、ローズとは同じじゃないか?そう思った時、なんだかとってもモヤモヤしたし、悲しくもなった。みんなは何を感じるのかな?2015/01/12
ひ ほ
40
生まれてからずっと、たったひとつの言葉すら話したことがないメロディ。周りのみんなからは「透明人間」のように思われているけど、でも本当はみんなと同じように感じ、いろんなことを知っている11歳の女の子。そんな彼女が両親や隣人のヴァイオレット、学校で付き添いをしてくれたキャサリンたちのおかげでクイズの全国大会へ。どんな子供にも自分の活躍の場がありそして必ず助けてくれるものがあり信じてくれる人がいることを願いながら読了。2018/06/24