内容説明
わたしたちは、観光という経験になにを求めているのか?観光の歴史、これまでの研究、内外の事例などを織りまぜつつ、第一人者が観光経験の意味をわかりやすく読み解く。観光立国や地域おこしを企図する関係者必読の書。
目次
はじめに(観光と「ものがたり」;これまでの研究―観光の「定義」と「真正性」について ほか)
第1章 みやげものと観光経験(聖杯としてのみやげもの;みやげもの研究 ほか)
第2章 観光経験を構築するガイド(ものがたりと観光ガイド―ガイド論構築に向けて;宗教的ガイドと観光ガイド ほか)
第3章 構築される「地域文化観光」(まちづくりと地域文化観光;「まちづくりのものがたり」に導かれる「旅」 ほか)
第4章 観光経験の「ものがたり」―実存的アプローチに向けて(観光研究における「真正性」―観光経験への視点;実存的アプローチと「ものがたり」 ほか)
著者等紹介
橋本和也[ハシモトカズヤ]
1947年生まれ。最終学歴:大阪大学人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。現職は京都文教大学文化人類学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポカホンタス
2
ツーリズムに関心を持ち、まず読んだ本。ツーリズムの議論についての概観が得られた。みやげものとガイドへの着目は興味深かった。「真正性」と「真摯さ」の検討も説得力がある。ポストモダンの中に顔を出す実存という話も参考になった。2015/01/30
SQT
1
観光対象の真正性の無さはすでに観光客には知られている。それでも観光客が無くならないのは、真正性が対象に付与されているものではなく、構築されていくものだからである。その例として橋本は地域文化観光や、みやげものやガイドにおける「ものがたり」の必要性を挙げる。「ものがたり」が観光客によって作られることが(それに観光地は演出の「真摯さ」をもって関わる)観光の真正性を構築していく。ほとんど異論は無いが、観光地の「真摯さ」を過大評価しているきらいがある。内子や湯布院の例が、感覚として、あまり納得いくものではなかった2016/12/07
gokuu
0
観光学的なものをかじってみようと手を出す。ものがたりと真正性がキーワード、っていう話で目新しい発見はなかったけど、分かりやすかった2013/06/12
なつん
0
自分にはちょっと難しいと感じました。観光をものがたりとして捉える際の「真正性」について言及しています。そして「真摯さ」が観光の「ものがたり」を構築していくことについて書かれていた。2013/02/14