出版社内容情報
人びとを結びつけると同時に異界との接点となる境界域としての道に着目し、人間関係の緊張と対立を緩和する可能性を探る歴史書。
目次
第1部 森の世界がつくる“道”(森と獲物の領有をめぐって―近世フランスにおける狩猟権と狩猟慣行;森のイコノロジー―ブルゴーニュのタピスリーに描かれた森;森の“道”からの来訪者―外来者をめぐるフォークロア)
第2部 ものと情報をつなぐ海と陸の“道”(近世海運ルートと文学の“道”―西鶴文学の情報ルーツ;水路網が結ぶ“道”―近代フランス新・交通革命の担い手としての舟運;海の聖人を訪ねる“道”―ポルトラーノ史料にみる聖ニコラオスの島;内陸の交易路―一六~一七世紀ポーランドにおける毛皮・肉牛取引から)
第3部 「境界」経験による再生の“道”(近代フランスに誕生したカトリック巡礼の“道”―聖地ルルド、リジュー、そしてパリ;越境する演劇―形式の模倣と新しい創造;戦争の記憶をたどる“道”―ナチ強制収容所をめぐるドイツ人社会の体験から)
第4部 権力と威信の通り“道”(王権が行く“道”―プトレマイオス朝の祭典文化とディオニュソスのテクニタイ;旅する裁判所―巡回陪審裁判制度成立史素描;公道の民主主義―一九世紀アメリカの政治文化とパレード)
著者等紹介
田中きく代[タナカキクヨ]
所属:関西学院大学文学部(西洋史学、アメリカ合衆国史専攻)
阿河雄二郎[アガユウジロウ]
所属:関西学院大学文学部(西洋史学、近世フランス史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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