感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
6
平安前期を中心に天皇から下層貴族に渉り、服喪や介護休暇(解職)、追善。果ては後生の平安という動機による遺産譲渡翻意等様々な問題に関して得られる限りのデータを参照しつつ述べる。素人には取り付きにくい内容であるが、全12章で各章の最後に纏めがある構成により非常に解り易くなっている。とはいえ読書に時間を要した。親子や家族関係についてシナの法制を学んだ我が国も、父子同気を基本とする彼の地の精神は受け入れられず、平安期に日本化する。その態様は天皇・貴族という特殊な階層にあっても明らかである。頗る刺激的な読書だった。2021/03/07