内容説明
本書は子育てが根拠のない思い込みによって語られ、子どもを操作の対象とみなす意識が強いことを明らかにし親が子どもを無条件に受け容れ一人の人間として認めること、大人と子どもがともに考え行うことの大切さを様々な面から論じている。親子関係や家庭教育のあり方を考えるためのヒントが詰まった一冊。
目次
第1章 放任的な親・甘やかされた子ども・その他の強力な仮想敵
第2章 多角的に見た子育て
第3章 過保護の誇張
第4章 頭の叩かれ方の学習―動機づけ・失敗・参加賞への怒り
第5章 隠された価値―条件性・希少性・剥奪
第6章 自尊心への攻撃
第7章 なぜ自己規律が過大評価されるのか―「やり抜く力・マシュマロ実験・内部統制」の詳細な検討
第8章 反逆者を育てる
著者等紹介
コーン,アルフィー[コーン,アルフィー] [Kohn,Alfie]
1957年にフロリダ州のマイアミ・ビーチに生まれ、1979年にブラウン大学を卒業し、翌80年にシカゴ大学で社会科学の修士号を得た。高校教員を経て、1980年代から文筆活動に入り、1986年に最初の単行本としてNo Contest:The Case Against Competitionを刊行した。その後フリーの研究者として活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nranjen
5
この本の面白さを一番よく説明してくれるのは「マシュマロの逸話」への批判だろう。よく言われるマシュマロを我慢した子は後に学歴優秀者になり、我慢できなかった子は…というやつだ。1960年スタンフォードでの実験は「人は人格ではなく状況により異なる判断を下す」という結論で、そもそもマシュマロの我慢と成績は関係ない。巷で大真面目に語られている教育論を取り上げ、その根拠のなさを突くだけでなく、その根底となっている権威主義的な教育や社会のあり方を暴いている。非常に面白い論述。アルフィー・コーンの名前は覚えておきたい。2021/12/06
ジム
1
子を思う愛情さえあれば、どんな育て方をしても子は気づく。2019/06/01