内容説明
時代の転換期の豪農・地方名望家に焦点を当てながら、国家・地方権力をも視野に収めた実証研究を通して、近世・近代移行期の村と地域社会の変容過程を、巨視的かつ詳細に検討する。
目次
序章 近世・近代転換期村落史研究の到達点と課題(国民国家論と地方名望家;民衆史・民衆運動史研究と地方名望家;地方名望家の定義;地方名望家をめぐる多様な視角;治水・水利史研究の現状と課題)
第1章 武蔵国の村・地域と古沢花三郎―近世・近代転換期の用水と村々(近世における用水利用関係;明治期に入っての変化;明治十年の用水争論と古沢花三郎;明治初年の水利問題―大麻生村と成田堰組合村々との係争;成田堰組合分離一件をめぐる県と村々;水路修繕費用問題と地価低減運動)
第2章 相模国の村・地域と山口左七郎(幕末~明治四年の上粕屋村;金子村時代の左七郎;明治四~十一年の左七郎;黄金井伝四郎との訴訟)
第3章 河内国の村・地域と岡田伊左衛門(近世畿内村落史研究の現状と課題;岡村と岡田家に関する先行研究;畿内の村から近世村落史研究を拡げる)
終章(百姓の「家」の一般的成立時期について;本書の総括)
著者等紹介
渡辺尚志[ワタナベタカシ]
1957年東京都に生まれる。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学、国文学研究資料館助手。1993年一橋大学社会学部助教授。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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