内容説明
ニート、フリーター、ワーキング・プア等の言葉の氾濫が示すように、若者の進路・就労問題は今日の焦点的課題となっている。それは日本に、そして現在に特有の現象なのか、責めを負うべきは若者自身か、あるいは今日の教育や社会システムの欠陥なのか―米仏はじめ先進諸国、発展途上諸国の現状も視野に、比較社会学の視点から多角的に問題解決の方途を追求・考察した、まさに時宜にかなった充実のテキスト。
目次
第1部 日本における若年就労の状況(日米間における「使い捨てられる」若者の比較;大学から職業への移行をめぐる日本的文脈;「教育過剰論」再考―大学院について)
第2部 先進諸国における若年就労の状況(「社会的に恵まれない層」をターゲットとするアメリカの若年雇用政策―中等教育段階の職業教育と離学後の積極的雇用政策を中心に;マック仕事の労働者たち―米国とカナダと日本のファストフード店を中心に;フランス型教育モデルの変容―民主化から新自由主義へ)
第3部 社会的排除をめぐって(多文化社会における教育的受容と排除;障害者の就労と教育―一般高校を卒業した知的障害者の事例を中心に)
第4部 若年就労の国際比較(OECD諸国における教育・職業訓練と労働市場の比較;中東北アフリカ地域における女性労働の現状と課題;デリーにおける包括的な教育への取り組みによるストリート・チルドレンを含む働く子どもたちへの教育)
著者等紹介
山内乾史[ヤマノウチケンシ]
1963年大阪府に生まれる。1986年大阪大学人間科学部卒業。1991年大阪大学大学院人間科学研究科中途退学。広島大学大学教育研究センター助手。1994年神戸大学大学教育研究センター専任講師。1995年博士(学術)(神戸大学)。1996年同助教授。1998年~1999年ロンドン大学教育研究所客員研究員。1999年神戸大学大学教育研究センター/大学院国際協力研究科助教授。2005年神戸大学大学教育推進機構/大学院国際協力研究科助教授。2007年同准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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