... 親鸞はその著述の中で、称名念仏の意味を、行為の立場からと価値の立場からの、二面から捉えていることがうかがわれるのであるが( 23 )、そのことはことに『歎異抄』に、「念仏は行者のために非行非善なり。わがはからひにて行ずるにあらざれば非行といふ ...

... 親鸞の帰洛をこの理由において指摘する。従来、親鸞帰洛の原因は撰述やその他二 ... その著述は、関東における真宗初期教団の勢力的抗争の問題は有無の二者択一的論義 ... その進展(第二)、正信の念仏者の勝利(第三)、善鸞の義絶(第四)を論述する。当章 ...

... 著述した。それが真宗の立教開宗の聖典と云はる「教行信證」六巻である。本書は ... その著述の晩年なると、その態度の敬虔と、組織の精と、文章の感激的なるに於いて新プラトン派の祖ブラトニウスに比せら ... 親鸞はその當時にあつては一向史上に表はれなかつ.

... 親鸞聖人の書かれたものにはそれが認められぬ、そして聖人の同僚の著述も見るべきものをむことを、關東の人々に誘して居られる消息が幾通もある、即ちその一を示せば一タ詮ズルトコロハ、唯信鈔、後世物語、自力他力、コノ御文ドモヨクッチニミラ、ソノ御 ...

... うか。これらの祖師たちに触れるには、ただ残された著述しかない。おのずから著述を通して祖師の心に触れるほかなかったのはもちろんである。してみると、親鸞はその著述のなかになにを読み取ったか、それがこの問を解くかぎになろう。佛道修行と易行.

親鸞が拓いた信の世界を仏教の原点から解明

... その信心の相状、利益としては、基本的には、智に即するものとして、心浄見仏、三昧発得、( 2 )と示されている。この『末燈鈔』の文は、ただちに親鸞のものではなく、門弟の筆によるものであるが、その末尾の文によると、「このふみのやうを御まへにて ...

... 親鸞の言葉と理解してよい。すなわち親鸞があえて宿業を語る場合は、それは親鸞独特の、自己の現存在はすべて罪の報いであることを示すことにおいてである。宿業業を罪から罪への連続として受けとめる親鸞は、その著述のいたるところで、これと同じ内容を ...

その史料批判 古田武彦 10 この点、真仏書写の「女犯の偈文」の場合も、同様の形態をとっていることが注意せられねばならない。すなわち、真仏は、親鸞真筆の単一文書の複写を行なったのではない。「親鸞夢記」という著述がすでに存在し、真仏は、その著述 ...