出版社内容情報
旧約の最後に位置し，民族の歴史を総合する文書の新訳．系譜をたどって列記される人名に語源的な注記を加え，随所に挿入した図像とあわせて，読解の幅を拡げる．神と人との関わりの歴史がイメージ豊かに立ち上がる．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
63
バビロン捕囚から戻ったイスラエル人がいかに国を治めていくかの歴史が語られています。膨大な系譜と人名を語りながら紡がれることで、資料と伝承をもとにして描かれていることがわかります。多くの困難の中で神殿を中心に力強くあろうとし、過去と和解していくあり方に関心が持てました。2017/12/12
きゃんたか
17
冗長な系図。繰り返す歴史記述。聖書通読者には当然生じるであろう不愉快な罠だ。とは言えこちらの歴代誌ではダビデの不倫や謀殺、ソロモンの悪政や堕落は等閑視されている。改竄か。嘘か。だが待てよ、全国民を代表して祈る二人の王の訴えも、本書では自らが犯した過ちの赦しを請うような痛切さに満ちている。そして記録された当時はユダ民族が捕囚から解放され、神殿も新たにされた時。歴史家は知っていたのだ、つまらない醜聞を蒸し返した所で何の益にもならないことを。薔薇色の未来を見据えた本書は、それゆえ独自の価値を有していると言える。2017/10/17
讃壽鐵朗
3
激しい殺戮と破壊の歴史でもある2015/09/14
しいかあ
1
退屈の極みというか人名リストというか創世記から列王記までを読み返したほうがよっぽどマシというか、ダイジェスト過ぎて何が起きてるのかさっぱりわからねーというか、まあとにかくそんな感じ。歴代誌36:9「イェホヤキンは八歳で王となり、三ヶ月間と十日間エルサレムで王位にあった。彼はヤハウェの目に悪いことを行った」曲筆もここに極まれりというか、3ヶ月しか王位にいなかった8歳児に何ができるというのか。ここもふくめても歴代誌は全体に大本営発表的なプロパガンダ臭が漂っていて、読んでてうわぁ…ってなることがわりとよくある。2015/05/11
