出版社内容情報
「戦後」をどうとらえるか,「戦後」とはどういう意味をもっているのか――さまざまな世代の26氏がそれぞれの「戦後」を自由に綴るエッセイ集.ジャーナリスト,作家,写真家,政治学・歴史学・経済学・哲学や自然科学の研究者,医者,教師,技術者,俳優,そしてさまざまな実践活動に関わる人たちが,現代を考えるための視点を広げていく.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
52
いやー、良書です。26人の著名人が、それぞれの戦後を語ります。一冊でこれほど多くの視点から語られる戦後を読めるというのは、他にはないのではないか。かと言って、戦後ということにこだわりすぎず、それぞれが思う日本近代史でもある。読めば、確実に心にくさびを打ち込まれる。打ち込まれる部分は人それぞれだが、戦争を知らない世代にはインパクトが強い。そりゃ勝てないはずだわ、命を賭ける経験に勝てるはずはない。2019/12/13
壱萬弐仟縁
22
色川大吉「朝鮮戦争のころ」(46頁~)。色川先生は、井上光貞助手から『日本資本主義発達史講座』をすすめられたという(49頁)。風樹文庫で拝見してみたい。永六輔「重箱の隅をつっついてみる」(55頁~)。若い人が蛍の光や、仰げば尊しを知らない(59頁)。時代ですかね。わが師の恩というのもなかなか得難くなってもいるだろう。姜尚中「戦後50年と近代化の100年」(106頁~)。日本史は戦前と戦後がだらだら繋がるも、ドイツは敗戦を総統国家周縁とナチズム解放とみなしているのですれ違っている(107頁)。2015/07/26
おらひらお
3
1995年初版。戦後50年を機に編集された新書で、各分野の人々のコラムや思い出からなります。なお、各人の持ちページが少ないので、深いところまではなかなか到達できていませんが、終戦時の状況や復興の様子などはよくわかります。2012/03/31
スターリーナイト
1
2018-70 戦争の話をしてくれるおじいさん、おばあさんも居なくなっちゃったけど、空襲の記憶がかすかに有る人はまだいる。 2018/10/08
伊藤秀仁
1
20年前に刊行された本だけど、この本で各識者が問うている問題は現在も力を持っています。「あらゆる分野で内向きの、まさに島の中でしか通用しない価値観が、容易に権威を帯び、我がもの顔で歩き続けている」というのは、今も変わらないですな。島国ゆえに、脱却というより向き合い続けてゆくしかないのだろうか。2016/08/09