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岩波新書
宝塚というユートピア

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  • サイズ 新書判/ページ数 201p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309406
  • NDC分類 775.4
  • Cコード C0274

内容説明

きらびやかなフィナーレ、燕尾服のラインダンス―創立九十周年を迎えた現在もなお年間観客動員数二六〇万人を誇る宝塚。「派手で少女趣味で子どもだまし」との偏見にさらされながら、同時に根強い人気に支えられるその魅力は何か。戦争・占領、テレビ時代の到来という、いくつもの転機をへて、進化し深化する宝塚を読み解く。

目次

第1章 文化としての宝塚(近代/反近代/脱近代―宝塚のダイナミズム;子ども文化・少女文化・家庭文化の時代)
第2章 宝塚というジャンル(タカラヅカ・レヴュー・カンパニー;連関するジャンル ほか)
第3章 宝塚の越境と占領(戦下の宝塚;非常時の海外公演―ドイツ・イタリア・アメリカ ほか)
第4章 ジェンダー/セクシュアリティという視角(女性の「聖域」となるまで;レヴューのセクシュアリティ ほか)
第5章 宝塚というシステム(学校モデルの機能;出る人/作る人/見る人 ほか)

著者等紹介

川崎賢子[カワサキケンコ]
1956年宮城県生まれ。1981年東京女子大学大学院文学研究科修士課程修了。文芸・演劇評論家。早稲田大学現代政治経済研究所特別研究員。関東学院大学・共立女子短期大学非常勤講師。専攻は近代日本文学・文化
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

10
206.06.17 1956 宮城生まれ  東京女子大学大学院文学研究科修士課程修了  レヴュー伝説  モン・パリ77周年記念P191 おわりに  久生十蘭(ひさまじゅうらん) P201 玉岡かおる『タカラジェンヌと太平洋戦争』  新潮選書2004)  Pⅲ 1913小林一三  少女ばかりの唱歌隊養成構想  約900人  久世星佳 桐野夏生 『OUT』  中年の女の役を男役がやる  男役の声でやる  麻美れい  安寿ミラ 女の財布 演技者が観客を生み  2006/06/18

壱萬弐仟縁

9
映画のなかのアメリカ将兵は、歌舞伎を観、能を観、文楽を観、茶をたしなみ、そうして少女歌劇を観て、日本理解を試み、異文化の壁を越えようとし、アメリカのそれとは異なるセクシュアリティをわかちあおうとする(108頁)。この一文は、何を意味するか。アメリカに従属している日本。日本の属国ぶりはどんなものか。宝塚では、長身、欧米規格の体形の演技者は、男役を演じる(136頁)。友達が宝塚にお住まいのようだが、いつか行ってみたいところの一つである。2013/08/13

Meroe

4
大正の成立期から戦後、現代までの宝塚歌劇やそれをとりまくもの(経営者、制作者、ファン、政治、女性…)の歴史。同じ筆者によるメチエの本に比べて、当時の資料や証言を用いた外側からの視点が強い。女・子供の文化、「レヴュー」か「オペラ」かの問題。戦時下の海外公演や占領下での活動の話が興味深い、男性ファン優位の時代(!)から「女性の聖域」となる転換点は戦時の圧力であった。そして男役のジェンダー、セクシュアリティ。一筋縄ではいかない。2012/04/11

AR読書記録

3
宝塚ではなくOSKのほうで、ファンとか追っかけとかいうわけでもないと思うんですが、気がつくと3代にわたるトップスターの東京公演を観てきた身でして(「唯一無二の男役」の名を持つ先代の桐生麻耶さんが本当に唯一無二なんですよ、もう存在感すんごいの)、レビューを観たあとのこのときめきこの感情、これは何...?というのを追求したくて、それっぽい本を探してみました。もしかすると真に求めているキーワードは「男装の麗人」の文化史・受容史、みたいなものだったかもしれないんだけど、第4章は一つの参考になった。2022/04/24

シロクマぽよんぽ

3
宝塚研究史や社会学に詳しい研究者向けの内容で、これを新書で出すのは厳しいのではないだろうか。それと、戦時下やGHQ占領下の公演に関する論を読んで、熱烈なファンはどうしてもコンテンツを擁護してしまいがちだということを感じた。近年の宝塚に関する動向をまとめた第五章が、最も面白かった。題材としては社会学的にも非常に興味深いと思うので、もう少し新書向けに内容をまとめ直してほしい。2022/04/15

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