ハーメルンの死の舞踏

ハーメルンの死の舞踏

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  • サイズ A5判/ページ数 210p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784022566249
  • NDC分類 942
  • Cコード C0097

内容説明

中世都市ハーメルン。支配者たちのひそかにあがめる「大王ねずみ」が金貨をひり出すたびに町中にねずみが氾濫し、住民は死の影におののく。そこに、ふしぎな笛をもつ男が現われ、ねずみ退治の約束をかわすのだが…。『ハーメルンの笛吹き男』伝説を新たに読み解き、現代の黒魔術「お金」にいどむエンデの最新作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

秋製 

28
これは脚本でした。初めて読む形式で、馴れない内は戸惑ったりもしました。慣れてきてからは、架空の劇場でこの物語を上演しているのを想像しながら読んだりもしました。有名な話だけど、謎も多い! 事実かどうかは置いておいて。エンデが導き出した答え?は、すんなりと受け入れられてしまう説得力を感じてしまいました。2013/03/14

まめこ

27
★★★★★エンデが読み解くハーメルンの笛吹き男。一見聖女なマグダレーナのガッカリ感や、貧民らのバラ撒き懐柔など色々興味深いが、大王ネズミの存在が一際衝撃だった。僧院地下で町の富者が勤しむのは、尻から金貨を1枚ひり出し口から死の影を1つ吐き出す大王ネズミを崇める黒ミサ。自らが富むために害を貧者に押し付けるの構図は人類普遍万国共通なのか。むむ、あの化物は今もどこかで回り続けているということか。2022/07/31

アナーキー靴下

14
エンデの戯曲作品。本作の元である「ハーメルンの笛吹き」でさえ強欲さが不幸を招くという寓意が込められているのに、資本主義への批判まで上乗せされている。崇拝対象が金貨を生み出すものという、寓話でありながらもより直接的で単純化されているところがとても好き。富める者が社会から搾取しながらも社会システムの傀儡にならざるをえない皮肉。エンデが問題視しているのは資本主義の弊害だけではなく、まやかしのようなシステムそのものなのだと思う。物語としては救いがなく、道徳教育のような印象が残ってしまうところは好みが分かれそう。2020/08/18

Terry Knoll

5
ハーメルンの笛吹きの伝説がベースですが、こちらでは笛吹男は子供を国の滅亡から救ったのでしょうか? 登場人物が、金銭欲・性欲・権力等を象徴しています。 富を追求して格差が広がるとやがて国が滅びるとエンデは訴えています。2016/12/05

テツ

5
元ネタのハーメルンの笛吹きの伝説はわりと好きなお話だけれどエンデのこれは初めて読みました。脚本形式で書かれているので慣れていないと読みづらいかも。『モモ』は時間についてのお話だったけれどこちらでテーマとして扱われているのは『お金』 そして貨幣と資本主義社会について。富を一つ生み出す度に地上の命が一つ失われる。悪魔と知りつつ契約してしまった富裕層はもう後戻りすることは出来ず富を生み出していく。適度な欲望は人間を成長させると思うけれどなかなかコントロールは難しいもんだよな。みんな知らずに死の舞踏に嵌っている。2015/04/23

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