内容説明
臓器、受精卵、遺伝子、クローン…。何をどこまで許すのか。新たな全体の見取り図と倫理原則を説く。
目次
序章 問題の原点
第1章 人体は人か物か
第2章 受精卵は人か物か―人はいつ生まれるか
第3章 遺伝子は誰のものか
第4章 人と動物との境はどうなるか
終章 何を、どうなすべきか
著者等紹介
〓島次郎[ヌデシマジロウ]
1960年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、三菱化学生命科学研究所社会生命科学研究室主任研究員。専攻は、先端医療を中心とする科学技術政策論
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感想・レビュー
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ヤギ郎
11
2001年出版。「先端医療」と聞くと、最新の科学技術をふんだんに使った未来を変えるような技術を想像する。しかし、この言葉は医療と実験研究を区別しない日本の医学界の情況を反映していると筆者はいう。(20)「通常医療」の対なる言葉は「実験的医療」である。(19)本書では、まず人と人権の限界を探る。切り落とされた腕には「人としての権利」があるのか、それとも「もの」として扱のか。生命倫理とその法整備について、両翼に位置するフランスとアメリカの状況を参照しながら、日本の医療研究の発展を見つめていく。2020/02/18