講談社現代新書<br> 欲ばり過ぎるニッポンの教育

電子版価格
¥825
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

講談社現代新書
欲ばり過ぎるニッポンの教育

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498662
  • NDC分類 372.1
  • Cコード C0237

出版社内容情報

「教育改革」を語る前にフィンランドの教育を解剖してみると、「格差」など日本の問題点が見えてくる!学校だけに依存しない学力向上のための論議。英語の早期教育は本当に効果があるのか。詰め込み教育は間違いか。ドリル式学習の問題点など、大きく捻じ曲がった日本の教育の「幼さ」を学力向上の観点から問う。(講談社現代新書)

第1部 東京で教育の問題点を探る
 第1章 親の不安はどこから来るのか
 第2章 完璧な子育てはない
 第3章 日本は学校に依存することで近代社会をつくってきた
第2部 オックスフォードで分かり合えたこと
 第4章 フィンランド型の教育を日本で実践できるか
 第5章 なぜ日本人は右往左往するのか
 第6章 絶対評価と相対評価


苅谷 剛彦[カリヤ タケヒコ]
著・文・その他

増田 ユリヤ[マスダ ユリヤ]
著・文・その他

内容説明

「教育改革」を語る前にフィンランドの教育を解剖してみると「格差」など日本の問題点が見えてくる。

目次

第1部 東京で教育の問題点を探る(親の不安はどこから来るのか;完璧な子育てはない;日本は学校に依存することで近代社会をつくってきた)
第2部 オックスフォードで分かり合えたこと(フィンランド型の教育を日本で実践できるか;なぜ日本人は右往左往するのか;絶対評価と相対評価)

著者等紹介

苅谷剛彦[カリヤタケヒコ]
1955年、東京都に生まれる。東京大学大学院教育学研究科教授。東京大学教育学部卒、米国ノースウェスタン大学大学院博士課程修了。Ph.D(社会学)。2000年から現職。専門は教育社会学、比較社会学。著書には『階層化日本と教育危機』(有信堂高文社・大佛次郎論壇賞奨励賞受賞)、『教育の世紀』(弘文堂・サントリー学芸賞受賞)などがある

増田ユリヤ[マスダユリヤ]
1964年、横浜市に生まれる。ジャーナリスト。国学院大学文学部史学科卒業。明治学院高等学校非常勤講師(世界史・日本史)。高校の教壇に立つかたわら、フリーのリポーター兼ディレクターとしてNHKテレビ・ラジオの番組を中心に教育問題の取材に取り組む。雑誌『環境会議』編集長などを歴任。月刊誌『海外子女教育』特集記事を定期的に担当。特にインターナショナルスクールについて詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

69
2006年刊行だけれど、安倍政権の教育改革がそのころ始まったことを思えば今読む意義もあるだろう。英語は使う必要が生じたら自然に習得できる。中高は土台作りで十分ではないか。現状は、英語が話せるようにならないと言って大騒ぎし、大変な時間と労力をかけている。が、すらすら話せるには環境が必要であって、ネイティブと週数回話すだけの学校にそれを求めるのは無茶だ。ただしそういう欲ばり教育の根底には、(ヨーロッパ的な絶対評価で切る厳しさと対極の)チャンスを与え続ける日本型社会があると知り、安易に全否定もできないと思った。2018/02/10

マッキー

25
日本とフィンランドの教育の比較がなされている。フィンランドは特別目新しいことはしていないが、教員に「二足のわらじ」と修士までの資格を求め、高校・大学への進学も絶対習得主義。容赦なく人間を選別するので非常に冷徹である。日本は国立へ行けない人は私立があるし、大学の増加で名前さえ書ければ入れる、なんていうところもある。「学校が福祉の役割を担ってきた」とはまさにこの事。向こうの制度を日本の教育に応用するのはいささか酷な気がする。受け皿を確保したり職業訓練校のようなものを作らないと、成り立たない。2017/11/23

takeapple

5
何でも学校で引き受けてもらい、解決できると思っているところがまず問題なんだ。学校の側も何とかできると思ってしまうのだろう。教師という立場だと、お金をかけなくても、愛情と、やる気で何とかしないと許されないと思わされてしまったり、できないのは自分の能力が無いせいだと思ってしまうものなのだろう。せめて他の先進国並にお金をかけて、1クラスあたりの人数が少なくて、必要な研修をする余裕があって、時間にもゆとりがあったら、様々な問題は解決しているのだろう。それができないのだから、欲張りすぎないのがいいのだろう。2010/08/12

shin.y

5
PISA(Program for International Student Assessment)で一位となったフィンランドの教育を最善のシステムと措定して、日本の教育と改革の行方を比較した本書。思うにIT革命は産業だけでなく、学力観にも大きな革命をもたらしたと思う。グローバル化、IT化によって詰め込まれた知識は急速に陳腐化した。今、求められるのはそれら情報の収集、取捨選択、応用スキルであり、その根幹となる「考える力」が教育で求められるものだと思う。「選択」という優しさの中にも格差が潜む時代なのだから。2015/05/19

Ken Terada

4
この人は僕の心の代弁者か!って思った.もちろん僕よりももっと進んだ知識・考え方を持っていた.予算もないのに,教師ならできるでしょう,という意味不明な前提の上に成り立つ議論.耳あたりの良い教育目標が掲げられ,超絶うさんくさいのにだれもそれにストップを掛けない.正直こんな目標,あってもなくても教育は変わらないよ.できたらいいねって理想と,それをすべての教師が達成できることとは天と地の差がある.要求するだけ無駄ってことに気づかないと.2014/09/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/105670
  • ご注意事項