内容説明
一度だけでいい、あなたに見せたい絵がある。戦没画学生31名の遺作50点とそのエピソード。沢地久枝「無言の語りかけ」、野見山暁治「還らぬ友人たち」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
39
享年に続き記される年齢のなんと若いこと。描くこと、作り上げることを愛し、家族への思い愛情を持ちながら、その才能を戦争に摘み取られ、あるものは戦地であるものは帰国後に病院で亡くなっていった若者たち。残された絵を大切に守り続けた家族。一枚一枚の絵に込められたものを思いながら言葉無くページを捲っていた。2023/01/15
ぷく
28
無言館。なんと寂しい響きだろう。NHKの『日曜美術館』の放送で知った。溢れる才能を持ちながら、戦争にその芽を無残にも摘み取られた若者たちの、声にならない叫びが、絵を通して伝わってくる。「享年」の後に続く数字に愕然とし、異国の地でひっそりとその生涯を終えた彼らの無念さ、残された家族の悲しみに胸が震える思いがする。中村萬平『霜子』、日高安典『裸婦』、大貝彌太郎『飛行兵立像』。語りかけてくる「声」にしばし耳を傾けていたい。 2020/08/30
たまきら
25
自分自身の子どもは娘一人だが、教え子をはじめ多くのこどもたちの人生に関わらせてもらったことから思いを強くするのは、戦争がいかに人材を浪費するか、ということです。無言館を訪れることでそのことに気付いてくれる人が増えれば、それはどんなにか心強いことでしょうか。2020/05/28
emi*
12
図書館で目に留まった前田美千雄さんの追悼画集で知った無言館。若くして亡くなった東京美術学校卒の方々の才能溢れる絵画。いつか無言館に行って、肉眼で観たい。2013/03/06
Sayaka
9
あと5分、あと10分、この絵を描き続けていたい。生きて帰ってきたら必ずこの絵の続きを描くから、、、 戦没画学生慰霊美術館の無言館。長女の塾国語テキストに載っていて存在を知った。画集で涙が出たのは初めて。いつか長野へ行って本物を見てみたい。2020/07/19