地球人ライブラリー<br> 山椒魚戦争

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地球人ライブラリー
山椒魚戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784092510081
  • NDC分類 989.53
  • Cコード C0397

出版社内容情報

南海で発見された巨大な山椒魚。彼らは高い知能を持ち、労働力に好適と奴隷として利用され、さらに海中武力勢力に利用する国も出現。ついにある日、山椒魚は人類に宣戦布告を…。人間文明の愚かさをあざわらうSF傑作。

目次 第一部 アンドリアス・ショイフツェリ 1 ヴァン・トフ船長の不思議なふるまい 2 ゴロンベク氏とヴァレンタ氏 3 G・H・ボンディとその同郷人 4 ヴァン・トフ船長の企業 5 入り江のヨット 6 続・入り江のヨット 7 アンドリアス・ショイフツェリ 8 アンドルー・ショイフツァー 9 山椒魚シンジケート 第二部 文明の階段を登る 1 ポヴォンドラ氏、新聞を読む 2 文明の階段を登る(山椒魚の歴史) 3 ポヴォンドラ氏、ふたたび新聞を読む 第三部 山椒魚戦争 1 ココス島虐殺事件 2 ドーヴァー海峡事件 3 北方種山椒魚 4 ヴォルフ・マイネルトの労作 5 Xは警告する 6 ルイジアナ大地震 7 チーフ・サラマンダーが要求をつきつける 8 ファドゥーツ会議 9 ポヴォンドラ氏、責任をとる 10 作者が自問自答する 解説 小林恭二 リスト・オブ・ブックス

内容説明

南海の秘境で発見された新種の山椒魚。驚くべきほどの高い知能をもっていた彼らは、貴重な労働力として人間に利用されるようになった。そんなある日、世界各地で大規模な陸地の水没が続出。それは山椒魚たちの人類への宣戦布告だった…。文明の愚かさを衝く巨匠チャベックの不朽の名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

98
どこか、ドラマ版『ウエスト・ワールド』を彷彿とさせる寓話でもあり、一種の繰り返される歴史への預言書とも言えるでしょう。奴隷として大漁に捕獲され、鮨詰の船に乗せられ、生き残り、見目がいいものが選別される山椒魚にアメリカ大陸に奴隷として連れてこられた黒人達を、生きたまま、解剖され、その仕組みを晒し出される姿はナチスや日本軍などの人体実験された人々を連想させる。対象に哀れみや慈しみ、敬意を持たずに蔑ろにし、自分勝手な理由で酷使する者はそのしっぺ返しを受ける。当時、山椒魚総統隊はナチスを意味していたが今では・・・2018/08/23

空猫

25
完全訳は挫折したので抄訳で何とか読了。完全訳本は読みづらいし、何が言いたいのか不明で挫折。本作も諦めかけたけれど、終盤でやっと楽しめた。チャペックといえば『ロボット』だがこの作品もテーマは同じ。人類が造り出した(今回は育て上げた?)モノを支配、その後依存し、最後には立場が逆転し破滅の道へ。人類は何度も同じ過ちを繰り返すのだな。…「ハロー、人類のみなさん。人命の損失に対し…哀悼の意を表する…(p222)」そのうち本当にノアの洪水がやって来るのかも…。2020/04/21

miroku

22
1930年代の作品とは思えない!ユーモラスだが、クールな視線がぶれない。名作だなぁ。2012/12/06

Tonex

17
チェコの作家カレル・チャペックによるSF小説。チャペックは「ロボット」という言葉を作ったことで有名。◇高度な知能を持ちながら、安価な労働力として酷使されていた山椒魚型の生物が、人類に反旗をひるがえすという話。ディストピアものだが、基本的にコメディ。◇読みやすい。原文はチェコ語だが、英訳版からの重訳とのこと。しかも完訳ではなく全体のおよそ3分の1をカットした抄訳版。2016/01/21

八子@ちょっと復活

12
国家と資本云々、といった風刺としても読めるが、SFとして面白い!しかしこれはやっぱりヨーロッパの視点で書かれたものだな、と思ったのは、ヨーロッパの代わりに中国沈めろ、と山椒魚と交渉してたところ。しかも中国代表の話は聞いてもらえないし……そりゃないぜー。あと、訳註が多くて、大方読み飛ばしてしまったが、よくよく読むとためになることが書いてあって反省。読み直そう。2013/08/24

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