仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120032172
  • NDC分類 366.21
  • Cコード C0033

内容説明

若者に仕事がないのは、中高年のせい。フリーターより深刻な、過剰に働く若者の存在。問題は「所得格差」ではない、「仕事格差」だ…。ここに働く20‐30代の本当の姿がある。

目次

1 雇用不安の背後で
2 「パラサイト・シングル」の言い分
3 フリーターをめぐる錯誤
4 世代対立を避けるために
5 所得格差、そして仕事格差
6 成果主義と働きがい
7 幸福な転職の条件
8 自分で自分のボスになる
終章 十七歳に話をする

著者等紹介

玄田有史[ゲンダユウジ]
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業。1992年、学習院大学専任講師、95年に助教授、2000年より教授。その間、ハーバード大学、オックスフォード大学などで客員研究員をつとめる。専攻は労働経済学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ai Ikeda

3
経済学的なアプローチで雇用問題を分析した本。大企業のリストラによる雇用調整は時にマスコミを賑わすけれど、新卒採用の抑制で不本意に職に就けない若者はリストラされる中高年の何倍も多くいる、などということをデータで示している。2001年に書かれているが、状況は今もほとんど変わっていないからとても勉強になった。2016/07/23

実穂

3
仕事や働くことの意味は、実際に働きながら時間をかけて醸成されるものだ。しかし、10代から30代の若年層はそのスタートラインから機会を与えられていない。これは中高年の雇用を維持するという社会構造的な問題が原因と著者の玄田先生は説く。出版後10年を経た今も、その状況は何ら改善されていないと感じる。2010/02/27

がりがり君

2
すべての若者と、総務と、学生によんでもらいたい。もっとも、学生は働いてないのだから、読んでも実感はわかないと思う。 成果主義の導入は社員のモチベーションを上げない。社員のモチベーションを上げる上で特に効果的だったのは、成果主義の導入と同時に教育制度の導入をすることだ。作者の主観ではない。データを解析するとそのことが見えてくるのだ。 結局、社会人になったところで、誰かに何かを教わりたいという気持ちは持っているものなのか。 他に、たまにしか会わないけれど、心から信頼できる友人は重要と、そんなことを言われても身2014/01/07

defplus

2
「ニート」を世に知らしめた社会学者玄田氏による、若年の働くことへの不安の正体解明本。出版の2001年当時はフリーターの増加が問題視された頃で、世間でも「不真面目・けしからん」論調が主流だった。玄田氏は所得や仕事内容の格差広がりを明らかにし「働く意欲の低下ではなく、未来や成長を感じられる仕事が少なったことが真の原因」と見抜いている。本書は、今や誰もが直面している社会問題のパンドラの箱を10年も前に開いてしまっていたのだ。若者は本書最後の予見「各個人が自分のボスになる社会」の実現に希望を見いだせるだろうか。2010/06/09

カオリ

2
10年近く前に書かれた本なのに、今日でもまったく同じ問題が続いているのだなぁと、著者の先見性なのか、それとも学者がどれだけ問題提起しても現実は動かないのか、どちらなのだろうかと考えさせられました。2009/12/22

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