内容説明
強烈な個性で迅速果敢に中世的権威を否定し戦国乱世を勝ち抜いた信長には、戦場で本陣を固める馬廻や小姓といった強者たちのほかに、秘書や吏僚として治世や文化などの面で活躍する近臣・近従がいたことを忘れてはならない。彼らは職業や出自を問わぬ信長に見出だされ、その才能を惜しみなく発揮し、信長の手足となって献身的におのおのの本分を尽くした。本書は、これら無名に近い近従たちに光を当てながら新たな信長像に迫る。
目次
第1部 家臣団の中の近臣たち(信長の近臣;信長の家臣団;立身出世の道;馬廻の活躍;異色の馬廻たち)
第2部 近習活躍の軌跡(初期の近習たち;第三世代の近習たち;万見仙千代と森蘭丸;老近習、健在なり;エリート近習の出世街道;本能寺の変以後の信長近習)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
25
信長・信忠親子が本能寺の変で死ななかったらのifはよく言われるが、森蘭丸ら本能寺の変で死んだ小姓や馬廻にも同じ事が言える。信長の全国統一が実現していたら石田三成ら秀吉系の官僚に変わり蘭丸らがもっと歴史に名を残していたであろう、それだけ信長側近は有能な人材の宝庫だった。2023/04/14
金吾
22
名前も知らない人がいますが、信長の側近になれたのは有能だからだと思います。戦国の勝ち組にのり、有能でありながら多くが途中で力尽きるのを読みますと戦国のきつさを感じさせられます。2024/04/13
俊
20
親衛隊と聞くと戦場での槍働きで活躍する武将を想像するが、秘書役や外交官役といった文官タイプの人物もバランスよく取り上げられている。スポットを当てる人物への掘り下げが丁度いい塩梅なので途中で飽きにくく、面白い短編小説を読んでるような趣があった。信長の人柄を窺い知れるエピソードがあるのも良かった。2017/10/05
niwanoagata
17
織田信長の近習を取り上げた本。 本書の一番貴重な点は近習はあまり注目されないため、詳細を取り上げた本が少ないところだろう。信長の家臣を取り扱ったものでも堀秀政と長谷川秀一ぐらいしか載らないと思う。 蘭丸伝説の形成が知らないことが多く、特に興味深かった。 信長の近習というと、威張り腐って重臣と対立する様なイメージが多く、無学の作家がよく前面に持ち出すが、心情的なところが多く追跡不能だろうがもう少し取り上げるとより面白かったかもしれない。 同様に近畿掌握構想についてももう少し深く取り上げてほしかった。2020/04/09
スプリント
12
武官がどうしても注目されてしまうが文官についても詳しく書かれていて満足。2020/11/09