内容説明
文字、音声、語彙、文法といった基礎知識を習得しても、それだけで日本語がなめらかに操れるわけではない。ことばを扱う場でどうすればよいかという応用技術こそが大切である。本書は、あいまいさや誤解を防ぐために必要な知恵、上下関係が錯綜するなかでの敬語の用法、手紙に込めるちょっとした心遣い、作家たちが紡ぎだしてきた美しい表現など、生活をゆたかにするための、日本語ならではの技を伝える。
目次
1 意味の世界
2 語感のひろがり
3 あいまいさの発生源
4 誤解のメカニズム
5 行動としての敬語
6 手紙のセンス
7 日本語の四季
8 日本語の芸術
著者等紹介
中村明[ナカムラアキラ]
1935年(昭和10年)、山形県鶴岡市に生まれる。早稲田大学大学院修士課程修了。国立国語研究所室長、成蹊大学教授を経て、現在、早稲田大学教授
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感想・レビュー
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愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
6
タイトルに惹かれて、手に取りました。著書を頂戴した礼状をその日のうちに出すことについて、まったく内容にふれていない礼状となるので、著者を満足させることはできない……と考えているくだりが、強烈に印象的でした。「そうだよねー(^^ゞ」と(^_^;)。2013/03/28
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
4
【ココロの琴線に触れたコトバ】思えば、手紙というものは、人と人との、いかにも人間らしい、ふしぎないとなみなのである。2014/12/30
呉下の阿蒙
1
あとがきから抜粋。「ことばの意味や語感のひろがり、あいまいさや誤解を防ぐコミュニケーションのしくみ、実生活でぶつかる多種多様な敬語の問題をあつかい、手紙のマニュアルを示し、そのセンスを説いたあと、ことばに反映した日本人の季節感をたどり、日本語でつむぎだす美の多様なかたちを点描するなど、言語生活をゆたかにするための日本語のわざを語ったエッセイである。」日本語を使いこなすのは難しい。2016/03/01
大熊真春(OKUMA Masaharu)
1
前から順には読まず、「手紙のセンス」ってところを読みました。◆センスも何もかも古すぎ。友人あての手紙には茶封筒も白封筒もいまどき使いませんよ。先生。◆毛筆も万年筆も使いません。万年筆はオーケーだがボールペンはダメ。鉛筆は論外とか。ワープロ・パソコンより手書きがうれしいのは確かだけど、別にダメって程じゃないと思う。きっとリラックマやプーさんのレターセットに色ボールペンなんか使ってると知った日にゃ中村先生は卒倒だろうなぁ。◆手紙の良さについて電話と比較してるのだがナンバーディスプレイも留守電も知らないらしい。2014/09/02
V
0
意味の弾性。意識してみよう2017/02/02