内容説明
1903年12月17日、キティホークの丘でライト兄弟が人類初の動力飛行に成功した。わずか12秒間、飛行距離36メートルにすぎない。しかしそれは、空を飛ぶという夢が、19世紀のケイリー卿やリリエンタールを経てようやく現実のものとなった瞬間であった。人類はいかにして空に舞い上がることができたのか。羽ばたき機から初のジェット旅客機コメットまで、飛行機を創り上げた人と科学と技術のドラマ。
目次
1 揚力はなぜ発生するのか
2 リリエンタールからライト兄弟へ
3 エンジンはどのように開発されたか
4 プロペラはなぜ推力を発生するのか
5 翼理論が誕生するまで
6 金属の機体が誕生するまで
7 ジェット・エンジンが誕生するまで
8 ジェット旅客機が開発されるまで
著者等紹介
鈴木真二[スズキシンジ]
1953年、岐阜県に生まれる。79年、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。豊田中央研究所、東京大学助教授を経て、現在、東京大学大学院教授(工学系研究科航空宇宙工学専攻)。工学博士。専攻・飛行力学。航空宇宙工学の研究教育に携わるほか、雑誌『航空情報』、「MSNジャーナル」などで飛行のロマンを伝えている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
22
どのようにしたら空を飛べるのかという話から、エンジン開発の話やジャンボジェット機ができるまでの歴史が書かれている。飛行機と言えば、ライト兄弟を思い浮かべるが、ライト兄弟が発見する以前から開発していた人はいる。ライト兄弟の案が実用的だった。誰がどんな開発をして名を残したのかまでは覚えられなかったけど、物理学、空気工学の易しい解説は楽しく読めた。畑違いなので、理解できたかどうかはわからないが。2017/01/27
ハジメ
4
本書は飛行機の理論体系とその歴史と機体素材の変移を掻い摘んでまとめられている。サン・テグジュペリやスカイ・クロラ、紅の豚と超個人的趣味の指向からすれば本書の収穫は多い。2010/12/24
takao
3
ふむ2024/01/17
もりけい
2
人類が空を飛ぶために夢に挑み続けてきたことの歴史が熱い。流体力学と熱力学が登場するが難しいところは読み飛ばして、純粋に飛行機の開発の歴史として追いかけると面白い。2014/11/02
たい
2
飛行機そのものよりも、空気力学、機体構造、エンジンなどの、飛行機を構成する要素の発達史に重点を置いている。その点、類書に比べて少し異色な本。文中に登場する飛行機も、ライト兄弟以前と戦間期の民間航空機が中心だったり。ただ、そのぶん知らないことが多くて楽しめた。 2011/03/18