出版社内容情報
黎明期の日本の民俗学が持っていた詩的表現力はどこへ行ってしまったのか。柳田の後を鋭利に検証する。
内容説明
柳田国男は、歿後四〇年を過ぎても、いまだに日本の学問・思想界に絶大な影響力を保っている。しかし、彼が独力で開拓したと言っても過言ではない民俗学は、その後、独創的な継承者を得られず、彼一代の学問として燦然と輝いているのである。本書は、民俗学の黎明期にあった柳田の詩的な精神が、民俗学者ではなく、むしろ異分野の研究者、思想家、作家などに受け継がれていった経過を、丹念に追跡する試みである。
目次
第1章 柳田がみずからを語る―神秘体験、その他
第2章 郷土会
第3章 柔軟な組織について
第4章 周辺の人々
第5章 古希に集う
第6章 読者群像
第7章 実践者のゆくえ―橋浦泰雄、太地への道
第8章 引き継がれる詩人像―永瀬清子『諸国の天女』
著者等紹介
鶴見太郎[ツルミタロウ]
1965年(昭和40年)、京都府に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程(現代史)修了。国立民族学博物館外来研究員を経て、現在、早稲田大学文学部専任講師
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