出版社内容情報
ニホンザルやカニクイザルなどのサル類の誕生から老年期までの母子関係,仲間関係,性差などを,日常生活における行動のていねいな観察や豊富なデータを通して比較行動学的に検討する.そして,人間の行動との相違や類似を考えることにより,発達の問題に迫る.
内容説明
本書は、比較行動学の基本的な考え方をふまえてなされたサル類の行動発達についてまとめたものであり、また各発達段階における性差と性差発達についても述べている。遺伝的に決定される性の違いが行動発達の中でどのようにあらわれるか、そのような行動の違いが母子関係・仲間関係の中にどのように反映するのか、また性の違いがかれらの生涯発達にいかなる影響を及ぼすか、といったことを、本書をまとめる上での、いわば「縦糸」と考えてきた。
目次
第1章 霊長類の行動研究
第2章 行動発達と母子関係
第3章 母子隔離と母子関係
第4章 接触期の母子関係
第5章 分離期の母子関係
第6章 遊び行動と仲間関係
第7章 性成熟と老化
第8章 エピローグ―ヒトと人間の間