出版社内容情報
言葉は過去を記録することで,個人や社会の記録を保存する.言葉との関わりのなかで,いかに過去は忘却され編成されてきたのか.蝦夷と沖縄,中国の革命歌,『資本論』など多様な言説を横断し,国家の根幹をなす記憶・記録のありようまでを明らかにする(臼井隆一郎,高橋哲哉,内藤千枝子,原聖,知花昌一,高良勉,藤井貞和,小林宜子,鍛冶哲郎,佐藤美雪,榎本泰子,湯浅博雄,臼井隆一郎,青木誠之,有田英也,工藤達也,アイレグ・アスマン)
内容説明
言葉は記憶をいかに編成するのか。蝦夷と沖縄、中国の革命歌、『資本論』―過去の忘却と想起をめぐる言語行為を明らかにする。
目次
1 言語支配と記憶操作(記憶の回帰と証言の時代―フランスの“戦争の記憶”についてのノート;蝦夷を殺す道;「不在の文学」としてのブレイス語文学―マイナーな言語はいかにして文学を形成してきたか;沖縄社会での沈黙と声―言葉、「生活存」、琉球系日本語;イングランド宗教改革期における過去の再構築―ジョン・リーランドとジョン・ベイルのテクストをめぐって)
2 記憶のテクネー(パラレリズム―記憶と逆理の言語態;富士谷御杖の言語論―国学における声と文字;歴史は歌う―中国革命における歌曲の役割;言語論と文学論の架け橋―ソシュール、マラルメから発して;資本主義の冥界―『資本論』の言語態)
3 記憶の編み物(言葉なき異郷で記憶の女神が巻き毛をほどくのは―ヘルダーリンのムネーモシュネー;記憶のディスクール;媒質と記憶―W.ベンヤミンの文学理論について;国民文化と人類記憶の間―ヘルダーの場合)
著者等紹介
臼井隆一郎[ウスイリュウイチロウ]
1946年生れ。東京大学大学院総合文化研究科教授。ドイツ文学、神話学
高村忠明[タカムラタダアキ]
1944年生れ。武蔵大学人文学部教授。シェイクスピアを中心とした英文学
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内島菫