• ポイントキャンペーン

記憶と記録

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 302p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130840644
  • NDC分類 801
  • Cコード C3380

出版社内容情報

言葉は過去を記録することで,個人や社会の記録を保存する.言葉との関わりのなかで,いかに過去は忘却され編成されてきたのか.蝦夷と沖縄,中国の革命歌,『資本論』など多様な言説を横断し,国家の根幹をなす記憶・記録のありようまでを明らかにする(臼井隆一郎,高橋哲哉,内藤千枝子,原聖,知花昌一,高良勉,藤井貞和,小林宜子,鍛冶哲郎,佐藤美雪,榎本泰子,湯浅博雄,臼井隆一郎,青木誠之,有田英也,工藤達也,アイレグ・アスマン)

内容説明

言葉は記憶をいかに編成するのか。蝦夷と沖縄、中国の革命歌、『資本論』―過去の忘却と想起をめぐる言語行為を明らかにする。

目次

1 言語支配と記憶操作(記憶の回帰と証言の時代―フランスの“戦争の記憶”についてのノート;蝦夷を殺す道;「不在の文学」としてのブレイス語文学―マイナーな言語はいかにして文学を形成してきたか;沖縄社会での沈黙と声―言葉、「生活存」、琉球系日本語;イングランド宗教改革期における過去の再構築―ジョン・リーランドとジョン・ベイルのテクストをめぐって)
2 記憶のテクネー(パラレリズム―記憶と逆理の言語態;富士谷御杖の言語論―国学における声と文字;歴史は歌う―中国革命における歌曲の役割;言語論と文学論の架け橋―ソシュール、マラルメから発して;資本主義の冥界―『資本論』の言語態)
3 記憶の編み物(言葉なき異郷で記憶の女神が巻き毛をほどくのは―ヘルダーリンのムネーモシュネー;記憶のディスクール;媒質と記憶―W.ベンヤミンの文学理論について;国民文化と人類記憶の間―ヘルダーの場合)

著者等紹介

臼井隆一郎[ウスイリュウイチロウ]
1946年生れ。東京大学大学院総合文化研究科教授。ドイツ文学、神話学

高村忠明[タカムラタダアキ]
1944年生れ。武蔵大学人文学部教授。シェイクスピアを中心とした英文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

11
差異とイメージの体系である言語は、それ自体が比喩であり媒体だ。そういう意味で、隠喩と換喩に注目した富士谷御杖と、ベンヤミンの媒質の概念は出色である。比喩であり媒体であるということは、比喩されるもの媒体されるものが想定されるが、人はそれを直接知り伝えることはできない。そこから直接性を捏造する行為が派生するものの、記憶の根源の痕跡を含む間接性のかたまりである言語に、捏造を隠し通すことは不可能である。望ましくみえてもないものを捏造するより、行き止まりでもあるものを行き止まりのまま知ることが、始まりになる。2015/09/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1730861
  • ご注意事項