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NHKブックス
油絵を解剖する―修復から見た日本洋画史

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019320
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C1370

内容説明

幕末・明治の激動期に、油絵という西洋のまなざしに出会った高橋由一ら先駆者たち。江戸の美意識を油絵の質感で表現しようという試みは、黒田清輝以降、現代に継承されたのか。絵画修復の現場から、油絵技法と絵具・画布等の材料に基づき日本人の絵画空間の捉え方や物の見方における問題点を指摘する、日本で初めての本格的な絵画評論。

目次

黒田清輝と高橋由一
明治時代の油絵技法を探る
不自由な画家たち
日本人と油絵―西洋と日本の絵画空間〔ほか〕

著者等紹介

歌田真介[ウタダシンスケ]
1934年生まれ。1959年、東京芸術大学美術学部油画科卒業。61年、同大学同学部油画専攻科修了。同学部絵画科絵画組成研究室副手、同助手、すいどーばた美術学院講師をへて、72年、創形美術学校修復研究室室長に就任。79年、同修復研究所と改称、所長に就任。95年、東京芸術大学文化財保存学保存修復(油画)研究室教授。98年より同大学大学美術館館長を兼任。30年にわたり、幕末・明治の洋画家・高橋由一の技法の解明に取り組み、油絵作品約40点を科学的に調査してきた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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yui

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油絵がどのように描かれているのか、修復の視点から分析する。ここまで油絵の描き方(技術材料)に幅があるとは思わず驚いてばかりだった。試行錯誤なのか、はたまた無頓着なのか、画家の描き方がその後の保存にどう影響したのかまで分析されている。高橋由一から黒田清輝、岡鹿之助、佐伯祐三など近代日本画家たちの描き方がタイトル通り解剖されている本書からさらに新しい絵画の見方を得た。2015/04/04

duchamp2008

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油絵の技法や表現性に重きを置いたことが(或いは絵具を取り扱う知識の欠如が)、その結実である作品を結果として傷みやすいものにしたという指摘に始まる著者の洋画への批判は、日本の美術教育、画壇に向けられていくのですが、歴史の浅い洋画にあって、西洋に比肩する洋画の確立という使命や危機感に囚われていた彼らにとっては幾分酷な指摘ではあります。 ただ、絵画の修復は作品の材質・製法に関する最も正統的で直接的なアプローチでもあることから、著者の労苦は、読者に作品に対する得難い知見や感慨を齎してもいるように思います。2012/03/14

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