内容説明
アメリカでの炭疽菌テロ事件をきっかけに、生物兵器によるバイオテロが注目されるようになったが、現在、いちばん恐れられているのは、天然痘ウイルスを使ったテロである。生物兵器とはいかなるものなのか。有効な対策はあるのか。七三一部隊の影を引きずり、バイオテロ対策研究が遅れてきた日本は、このままでは、将来に禍根を残すことにもなりかねない。バイオテロの実態を知り、どのような対策を立てていく必要があるのかを国民レベルでも議論すべき時期にきている。ウイルス学と細菌学の専門家による、警世の書。
目次
プロローグ 炭疽菌テロ発生
第1章 生物兵器とバイオテロの歴史
第2章 炭疽菌と天然痘ウイルス―生物兵器の双璧
第3章 さまざまな生物兵器
第4章 生物兵器の特徴とバイオテロ
第5章 バイオテロにどう立ち向かうか
著者等紹介
山内一也[ヤマノウチカズヤ]
1931年生まれ。横浜市出身。東京大学農学部卒業。農学博士。北里研究所、国立予防衛生研究所を経て、1979年東京大学医科学研究所教授。現在、日本生物科学研究所理事・主任研究員、東京大学名誉教授。専門はウイルス学
三瀬勝利[ミセカツトシ]
1938年生まれ。愛媛県出身。東京大学薬学部卒業。薬学博士。国立予防衛生研究所、バーゼル大学バイオセンター、国立公衆衛生院、国立衛生試験所衛生微生物部長、国立医薬品食品衛生研究所副所長などを経て、現在、医薬品機構顧問。専門は微生物遺伝学
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