内容説明
日本の国土の大半を占めながら、生活文化水準の劣った後進地と見なされてきた“山”。歴史学から軽視されてきた山村の歴史を生業文化や生活文化の観点から積極的に捉え直す。狩猟、採集、焼畑、手工業生産など山村の「労働」に注目し、山の暮らしを支えてきた“循環”の思想に、右肩上がりの「発展」に疲れた現代社会への処方箋を見出す。気鋭の若手による渾身の力作。
目次
山村の現在をふり返る
第1部 山村の実像を探る(山村の生活文化体系とは何か―山中に建つ長屋門の家 山村だから貧しいのか;山村は閉ざされているか―落人伝説の残る世界)
第2部 山村はどう語られてきたか(文献史料は何を語るのか;外と内からの山村像)
新たな山村像を求めて
著者等紹介
白水智[シロウズサトシ]
1960年生まれ。中央大学大学院博士課程単位取得満期退学。中央学院大学助教授。専門は日本中世史・山村史・海村史
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