内容説明
「思考実験」とは、実際には実験できないことを頭の中で考えてみること―つまり、空想の世界であれこれ実験する試みです。頭の中だから、従来の科学の枠にとらわれないで自由に想像力を膨らませることができます。ただし、それには条件がひとつ。どんな「思考実験」をおこなう場合にも、厳密な科学法則にのっとって進めなければなりません。そのような姿勢で、橋元先生はドクターψという名のコンピュータといっしょに、たくさんの難問奇問に挑みました。例をあげますと…光合成人間は環境問題を解決できるか、そろばんは自己意識を持てるかなどです。これらの問題を、分子生物学、遺伝的アルゴリズム、認知科学、量子重力理論、カオス理論など、さまざまな最新科学理論を駆使して考えていきます。ときどき、有名な思考実験である「巡回セールスマン問題」や「中国語の部屋」なども紹介されます。
目次
第1章 葉緑体人間は可能か
第2章 人工生命は自己意識を持てるか
第3章 自己意識とは何か
第4章 時間とエントロピー―生命はいかにして誕生しえたのか
第5章 時間はなぜ過去から未来に流れるのか―カオスと量子論
第6章 真の実在を求めて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gorikida
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前半は葉緑体人間など面白く、後半は時間についてやや哲学的に。 これまでやもやしていたものがいくらかクリアになる考え方を知ることができた。(エントロピーやシュレディンガーのあたり)2014/04/04
たもん
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著者のいろいろな見解が詰め込まれていて、興味深くはあるけど、牽強付会と思われる議論もあり。人間とDNAが近いから類人猿にも意識があるだろう、とか論拠としてはわりと弱いと思う。サールの中国語の部屋とかは「思考実験」の名にふさわしい、新たな視点を導入するものだと思ったけど。2012/09/13
めぐみ
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エントロピーと時間の矢に関する話題が面白かった。2012/05/30
たっくん
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この本の内容は、同著者の「「0と1から意識は生まれるか」と同じです。 読む方は注意してください。2010/05/16
芹沢 時雨@VTuber
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なかなか興味深い事を言っているが、あくまで話半分だな