昏き目の暗殺者

個数:
  • ポイントキャンペーン

昏き目の暗殺者

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年05月02日 13時38分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 678p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152083876
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ―あれは本当に事故だったのだろうか?いま、年老いた姉のアイリスは、孤独のなか自分の来し方とともに思い返す。それに、ローラの死後出版され、彼女を伝説の作家にまつりあげることになったSF小説『昏き目の暗殺者』に描かれた恋人たちは誰がモデルなのだろうか?わたしたちチェイス家は代々、釦工業で財をなす、ポート・タイコンデローガの町いちばんの名家だった。だが、労働運動の激化で家業が傾き、わたしは父のライバルに台頭してきたリチャード・グリフェンのもとに嫁ぐことになった。無垢そのもので世事に疎い妹ローラには、家運を背負ってのわたしの決心など理解しようもなかった。やがて、娘をもうけたわたしの前に、すべてを突き崩す事実が立ちふさがる…。ある一族の波瀾の歴史を、孤独と追憶の迷宮のなかに描く、近代・現代文学の総決算。稀代の物語作家が類稀な想像力と圧倒的表現力で紡ぐブッカー賞、ハメット賞受賞作。

著者等紹介

アトウッド,マーガレット[アトウッド,マーガレット][Atwood,Margaret]
小説・詩・評論・児童書などさまざまな分野で活躍するカナダの代表的作家。1939年、カナダのオンタリオ州オタワ生まれ。トロント大学、ハーバード大学大学院などで英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭をとる。1966年に詩集『サークル・ゲーム』でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1969年発表の初の長篇小説『食べられる女』では結婚を前にした働く女性の自我の危機を“食べる”行為を通して描き、文壇に衝撃を与えた。1986年には『侍女の物語』で二度目のカナダ総督文学賞を受賞。諷刺に満ちた不気味な未来社会がジャンルを超えた幅広い読者を魅了し、世界中にその名を知らしめた。その作品は世界20カ国以上で翻訳され、カナダ国内のみならずヨーロッパなどでも数々の文学賞を受賞している。『昏き目の暗殺者』で2000年のブッカー賞、2001年のハメット賞を受賞した

鴻巣友季子[コウノスユキコ]
お茶の水女子大学大学院修士課程英文学専攻、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

177
2000年ブッカー賞。 カナダの作家による 不穏で妖しい物語である。 妹ローラの転落死から 始まる一族の不幸の背景には 一体何が あるのか?アイリスが語る視線は意地悪で、 読んでいて戸惑う…重層的な物語の展開は なかなか真実にたどりつかないが… 最後は 儚いローラと アイリス姉妹の 物語だった。2018/09/23

ケイ

150
余韻が付きまとってくる。ガーディアンリストの分類ではSFだが、解説にもあるように一括りにはできない。アイリスの女の一生であり、妹の死亡の真実を探るミステリでもある。書き手の信憑性…、誰についてだろうか、そこから考えねばならない。これは、深い絶望から発している。貶められた女としての人生。お金のある家族からの支配。裏切り、裏切り。さらに裏切り。彼女の周りに信じられるものはなかったのだから、彼女が信憑性が疑われる話をしたとして、何が悪い? みなに罪がある。アイリスにすら。そして皆、それぞれの真の人生を失った。2017/05/31

まふ

119
面白いと言えば面白いが、その面白さを作らんがための細工が気になってしまった。二重、三重、四重の「虚構」が作者の仕掛けた「仕組み」であろうが、煩わしくもあり、わざとらしさ、作りすぎが鼻に付く、と言ってしまったら元も子もなかろうが、ブッカー賞を取った作品であるので相応の賞賛はしておこうと思う。とは言え、「侍女の物語」でも感じたのだが、この作家の書き方はやや才気走っているような気がして(翻訳の問題ではなかろうと思うが)、どうも私には少し合わなかったようでした。G1000。2024/01/30

扉のこちら側

89
2016年264冊め。【161/G1000】裕福な家の令嬢アイリスが語る自分と妹ら家族の物語と、老婦人となったアイリスが語る現在視点の話、妹が書き遺した作中作の『昏き目の暗殺者』という物語、さらにその『作中作の作中作』の物語、新聞や雑誌の引用記事の数々が絡み合う複雑な構成のため読むのに手こずった。G1000ではSFジャンルに分類されているが、私は19世紀のある一族にまつわる年代記として読んだ。「ある地点をすぎると、経験という惨害はひとを退行させる」。なんて切ないんだ。2016/04/20

mii22.

74
重厚かつ重層に織られた絨毯のようなどっしりとした職人技の芸術品のようであるが、織り込まれているのは、哀しみ、裏切り、孤独。最後のひと織まで全景を見せないこの物語は最後の一行まで緊張感をもたせその後の余韻が長く後を引く。時代の流れや戦争、そして名家の没落だけが、彼女たちをがんじがらめにし、自由と心を奪ったのではない。作中作『昏き目の暗殺者』は物語だけの中にいるのではない。支配し、支配されるものがある限り現在も未来にもその存在はあり続ける。アトウッドの作品にはいつも圧倒され打ちのめされる。2018/10/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/458550
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。