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内容説明
出版の戦争責任を直視する。意図的に焼却された資料、少ない証言…。出版新体制の名の下に戦時体制に組み込まれ、「紙の弾丸」として暴発した出版界を検証する。
目次
第1部 戦時下の雑誌と出版界の展望(著名雑誌と編集スタッフ;出版懇話会;出版新体制―文協から日本出版会へ ほか)
第2部 戦時下の雑誌の帰趨(雑誌の興亡;『海軍報道』ほか―富塚清;『新国民』ほか―犬田卯 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
太平洋戦争中の文化人の戦争協力について調査し続けている詩人が、自分が収集した戦時中の出版物を中心に分析した当時の日本の出版事情を探っている。戦時中の雑誌を網羅した労作である一覧表から、戦時体制が出版界をいかに管理していたかを概観し、戦局の悪化で雑誌の統廃合が進み、昭和20年になると印刷したページを綴じることもなく売っていたという末期的な状態も浮き彫りになる。中には本土決戦のマニュアル「国民築城必携」なども。後半は、「海軍報道」や「日本婦人」等の雑誌の内容を検証しているが、当時の文化人の多くが寄稿していた。2019/07/16